日時:2026年6月11日(木)18:30〜
場所:国分寺ひかりプラザ203・204
参加者:受講生24名スタッフ20名(講師含む)計44名
講師:日本山岳会東京多摩支部長野口いづみ
報告
初級登山教室第4回目の座学講習は山岳認定医であり、日本山岳会東京多摩支部長でもある野口いづみ先生より医療についてお話いただく。
関東地方も梅雨に入ったという発表があり、2日後に登山実習「大岳山」を控え、暑さ対策を含め即実践できる内容の講座となる。
真夏の登山では脱水症を起こしやすいため、軽症の段階で適切に水分補給を行うことが重要である。脱水量は「体重(kg)×行動時間(時間)×5g」で算出し、そのうち約2/3を補給するのが目安とされる。例えば、体重50kgの人が6時間歩く場合、必要な飲料量は約1000mlとなる。意外なことに、水だけ飲み続けると体液が薄まり、尿量が増えてしまう。水分補給には、水よりも塩分と糖分を含む飲料のほうが体内への吸収が良い。
また、最近は熊による被害も問題になっているが、症例としてはハチ刺されによるアナフィラキシーショック死が断然多い。ハチ毒によるアナフィラキシーは発症から心停止まで約15分と聞いて衝撃を受ける。黒色の衣類は避ける、登山道を踏み外さない、姿勢を低くして離れるなど、ハチに遭遇しても慌てることのないよう対策をしっかりと覚えておきたい。
ケガの対処については野口講師が以前にハセツネカップ(トレラン)の医療に従事していた際の経験も踏まえて、テーピングの使い方や傷を負った際の対処方法を教えていただく。野口講師が山行中、怪我をした仲間にテーピングで処置したことで無事に下山できた実例をスライドと共に説明されると『テーピングはマジックだ』と言われるのも納得できる。
「医療講座」ということで、受講生の皆さんも緊張感を持って真剣な表情でメモを取りながら聞いている姿が印象的だったが、野口講師の話術で時々笑いも起こり和やかな雰囲気での講座となった。
講座のタイトルに「元気に山を楽しもう」とあるように、日頃からトレーニングに励み、登山日までの体調管理にしっかりと取り組み、安全に登山を楽しんでもらいたい。
文/高岡洋子 写真/渡邉理恵子




