野火止用水歴史環境保全地域(小平市中島町)
保全林内ラン科植物(キンラン、ギンラン、ササバギンラン、シュンラン)個体数調査 2022年~2026年
保全林内では、3月初旬にシュンラン、4月中旬よりキンラン、ギンラン、ササバギンランが開花する。(サイハイランは、2023年に消滅、タシロランは2021年に消滅した)

キンラン
2022.4.14

ギンラン
2020.5.2

ササバギンラン
2021.4.28

シュンラン
2020.4.25

サイハイラン
2020.5.31

タシロラン
2021.7.3
・キンランの開花が通年4月2週なので、3月下旬から柵内への立入りを禁止し、調査の準備を始めた。今年は個体数調査のボランティアを募集し、4名の参加を得て会のメンバー8名、計12名で、4月28日に実施した。
・調査方法は、林縁部を含んだ林内のA~Kの11の地区内のキンランの本数を数えて用紙に記入する。うっかり2度カウントしてしまうので、50本100本単位で袋に入れた‶アイス棒〟を一本一本根元に挿していき、残数を引いて数を出す。
・個体数調査の結果一覧表を見ると、2023年度にラン科のすべての数が大幅に減っているが、カシノナガキクイムシによって枯れたクヌギ、コナラの古木の伐採時に柵内にキャタピラ―が入り、地表全体にダメージを与えたためと思われ、2025年にシュンランが減っているのは業者によるH地区内の大量の株の盗掘があり、木柵を設置したことにより抑止効果があったようで翌年は増えている。個人的な盗掘や花を折って持ち去る人もいて、今年も道の脇に咲くキンランがかなりの数、消えていた。
・キンラン、ギンラン、ササバギンランはコナラ二次林など落葉広葉樹林に咲く植物で、個体数が減少し、キンランは環境省の国内絶滅危惧Ⅱ類に指定され、ギンラン、ササバギンランも都府県などで絶滅危惧種に指定されている。3種は地上に緑葉を広げて光合成を行いながら、菌根から養分を得ている「混合栄養植物(部分的菌従属栄養植物)」で、種子は、胚を包んだ細長い種皮の長さ約1,2mmほどと小さく、12月頃に茎頂の果実からこぼれた種子は、地表に達し、地中で発芽した後、菌根の侵入を受けてプロトコームと言われる地上部のない細胞塊を形成。発生期間には地上部の発生しない休眠年が含まれており、休眠を経て発生できるのは菌根から栄養分を得ているからとか。
・野火止保全林内のキンランは2022年から増えてはいるが、ギンランは18本、ササバギンランは3本とそれぞれ三分の一に減った。長期的に保全して行くための課題が、多くある。 (文:岡田)
2022~2026年 保全林内ラン科植物 年度別個体数

2026年保全林内 ラン科植物 地区別個体数



