報告)中級登山教室 南アルプス甲斐駒・仙丈ケ岳に登る  祢津尚美

【日 時】8月1日(金)~3日(土)

【天 候】1日目・2日目/晴れ夕方小雨夜半雨、3日目/晴れ時々曇り後雨

【参加者】10名/中村(正)、野口(い)、スタッフ/中村(敦)、受講生/浅野、小澤、高岡、中島、中山、祢津、山本

【行 程】1日目/13:10北沢峠発→13:20長兵衛小屋テントサイト(TS)、2日目/4:40長兵衛小屋TS発→6:05~15仙水峠→8:03~15駒津峰→10:25~45甲斐駒ヶ岳山頂→11:50~12:00摩利支天→14:32~42双児山→16:40長兵衛小屋TS(泊)、3日目/4:40長兵衛小屋TS発→6:55~7:05大滝の頭→8:35~40小仙丈ケ岳→10:05~25仙丈ケ岳→10:50~11:00仙丈小屋→11:51~12:00馬の背ヒュッテ→12:55~13:05大滝の頭→14:40長兵衛小屋TS着15:30解散

【記 録】◇1日目◇懸念していた台風は東に逸れ、晴天の下、戸台パークから各々バスに乗車し標高2032mの北沢峠に集合。整備された林道を歩き10分ほどで長兵衛小屋に到着。このテントサイトは川沿いにあり水が豊富だ。テントを設営後、中村講師によるロープワーク講習。エイトノットの復習から、もやい結び、ムンターヒッチ…。学ぶべきことはまだまだたくさんある。その後、夕食準備に取り掛かるも、すき焼きのたれを忘れてしまったことに気づく。食料係が小屋にて調味料を購入・拝借し、美味しいすき焼きにありつけた。食事中に怪しい雲があったが、就寝時間直前に、いきなりどしゃぶりに。それは最終日の悲劇の前兆だったのか…。

◇2日目◇甲斐駒ケ岳を目指しテントサイトを出発。水量豊富な仙水小屋を通り、樹林帯を抜ける。シャクナゲの咲く岩稜帯の道を、眼前に聳える岩山を巻くように進んでいくと仙水峠へ到着。ちょうど鳳凰三山方面のガスが晴れ、昨年中級教室で登った地蔵岳のオベリスクが姿を現し静かに感動する。

さらに高度を上げていくと甲斐駒ヶ岳、摩利支天、目を転じると長兵衛小屋、明日登る仙丈ケ岳も見える。日本のワンツースリーである富士山、北岳、間ノ岳が一目で見渡せ、すかさずカメラに収める。スピンオフ隊が向かう栗沢山とアサヨ峰を連ねる早川尾根も見えた。

 

足元にはイワキキョウやトウヤクリンドウが咲き、心が和む。ハイマツやダケカンバの林を抜け広々とした山頂の6合目・駒津峰に到着。

 

さらに進み巨岩の六方岩を過ぎる。

 

巻き道コースを右に分け、岩場の直登コースを進む。中村講師より「足場をしっかり確保するように」と声がかかる。

ぐんぐん高度を上げ、1時間強で甲斐駒ヶ岳山頂標(2967m)に至る。

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昼食を摂っていると、スズメバチが集団で飛んでいるような音がして、見上げると、ドローンが旋回していた。また、嬉しそうに斜面をのぞき込む人だかり。ライチョウだ。私たちをからかうように、ハイマツの茂みに入ったり出たりしていた。

山頂をあとにして巻き道コースを2740mまで下ってから、左へ支道へ入り、摩利支天を目指す。ここからは白砂のザレ場。急坂を慎重に下る。甲斐駒ヶ岳から摩利支天までは山と高原地図では20分ほどの行程だが、実際には1時間弱の時間を要した。

摩利支天はガスっていて展望はなかったが、鉄拳やイノシシに乗る摩利支天のレリーフなどがあり、興味深い。摩利支天を出発、谷を渡り六方岩に戻る。

見覚えのある巨岩に、どこか安堵した空気が流れるが、「北沢峠へはここから700mも下るのよ」という野口講師の言葉に、一同気合を入れ直す。駒津峰、双児山を経由して北沢峠へ下る。双児山への登り返しを目にした瞬間が、この日一番きつかったという声も聞かれた。

テントサイトへ戻るとこの日から合流の山本さんが出迎えてくれ元気100倍に。明るいうちに夕食。大豆ミートのガパオライスとミネストローネのスープ(絶品!)で疲れも吹き飛んだ。この夜も就寝中にどしゃぶり。

◇3日目◇昨夜の雨でテントが濡れていた。テントを撤収せずに出発。

樹林の中で厳かな日の出の陽光の矢を浴びる。ダケカンバ、シラビソの樹林帯を登っていく。

5合目の大滝ノ頭で藪沢への分岐を右に分け、岩場の急登を過ぎると6合目(2650m)で展望が開ける。一面にハイマツの緑が広がり、これから登っていく道が見渡せ、こんな景色が見たかったのだ!と一気に気分が上がる。また、本山行解散後に有志メンバーが個人山行で登るアサヨ峰も目の前に見え、その稜線上には積乱雲が立ち始めていた。

小仙丈ケ岳を越え仙丈ケ岳への稜線歩きは、雄大な藪沢カールと仙丈小屋を見下ろし『アルプスの少女ハイジ』の世界そのものだ。さまざまな高山植物が楽し気に咲いている。

遠くに見えていた仙丈ケ岳山頂(3033m)頂上にようやく到着、昼食を摂る。ガスっていて展望は今一つだが、昨日登った甲斐駒ヶ岳が見える。荒々しい「南アルプスの貴公子」と優美な「女王」。その愛称に心から納得する。

北正面に今日、仲間が歩いている丹渓新道の尾根が見えた。山頂を後にし、少し岩場を下って、仙丈小屋で一休みする。馬の背へ向かって樹林に入る。

厳しい冬の間の雪の重みで横になっているというダケカンバや、黄色い花をつけたマルバタケブキの群生の光景を楽しむ。馬の背ヒュッテで一休み。山懐に入ったような居心地の良さそうな小屋だ。大平山荘への分岐を左に分け、沢を渡る。

樹林帯の中につけられたトラバースの道を進む。途中通過した藪沢小屋は無人だった。5合目の大滝の頭に戻る。朝来た道を下り、無事テントサイトに到着、ホッとしつつもテント撤収に取り掛かる。大粒の雨がポツポツ来たな、と思うとあっという間にどしゃぶりに。雨は容赦なく降り続き、乾くどころか「水も滴るいいテント」に。こんな経験も一つ一つ糧にして成長していけたらと思う。テントサイトにて解散。スピンオフ早川尾根隊5名とお別れ。充実した素晴らしい山行だった。

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