(本稿は会報58号(2024年11月号)p.14に掲載されたものです。支部員に周知してただくためにHPにもアップいたします。)
東京多摩支部でも多くの会員が「ココヘリ」「jRO(ジロー)」に加入している。発信機を貸与して捜索を行う「ココヘリ」、捜索救助費用を補填する「ジロー」として、それぞれが山岳遭難・救助をサポートする制度を担っていた。その後、ココヘリ運営会社によるジローの子会社化を経て、2023年6月に「ココヘリ」と「ジロー」による新たな山岳遭難救助サービス制度が開始された。
新制度は、遭難事故発生の連絡をココヘリ事務局に行うと、事務局が提携民間組織へ手配し、捜索・救助を実施するというもので(上限:550万円)、迅速に捜索が開始されることが期待される。しかし、一方、旧jRO(ジロー)が提供していた捜索救助費用補填という、山岳保険に準じるサービスは終了した。つまり、ジローは保険ではなく、捜索と救助を行うことに特化したサービス提供機関になったといえる。今までカバーされていた自分たちで手配した場合の捜索救助費用や関係者の交通費・宿泊費は補填されなくなった。詳細はホームページ等で新制度について確認してほしい。
保険を希望する登山者は、別途、山岳保険に加入数ことが必要だ。残念ながらジローと同程度の低額な保険料で550万円の補填を得られるような山岳保険は見受けられない。例示するとJAC会員向けの日本山岳会団体山岳保険(東京海上日動火災)、JMSCA山岳保険(三井住友海上火災)などがあり、他の山岳保険もあわせて検討するとよい。