★★★★ コース NO.17
奥多摩駅から天地山、鋸尾根 /鋸山の北東尾根にそびえる〝奥多摩槍〟/
1.天地山 981m
JR奥多摩駅→25分→海沢大橋交差点→10分→海沢掲示板→20分→林道分岐→15分→林道終点→90分→天地山→60分→鋸尾根合流点→(鋸山往復20分)→10分→三角点→1時間→天聖神社→20分→電波塔→15分→愛宕山→20分→JR奥多摩駅
(歩行時間/約6時間) 登山道グレード/★★★★ 体力グレード/★★★★ 技術力グレード/★★★★ 総合コースグレード/★★★★
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川合玉堂「奥多摩槍と言わば知らまし」
天地山。なんという壮大な名前だろうか。天と地の間にそびえる山? そのいわれはなにか? 地元では奥多摩槍とも呼んでいるという。標高は981mと高くはないが、登ってみるとその名前が身に染みて体験できる。ひたすら急傾斜の直登の連続である。
奥多摩を愛した川合玉堂は、この山を「名に負える天地岳は人知らず 奥多摩槍と言わば知らまし」と詠んでいる。道が険しいためか、人の訪れる機会が少ないということだろうか。
登山口は海沢大橋の北700m、標識はない
JR奥多摩駅から左へ。昭和橋を渡り多摩川南岸道路を進む。氷川発電所向けの導水管をまたぐ神庭(かんにわ)橋を過ぎると道は上りになる。幅の広い車道で登りはきつい。400mほど登ると五差路に出合う。この場所には海沢(うなざわ)自治会の掲示板がある。掲示板の右側の道が林道/登山道で、2015年に整備され、路面がエビ茶色に塗られている。
犬の飼育場を過ぎ、しばらく林道を行くと分岐となる。右側に回る方向は綺麗だが、左に回る方向は倒木でふさがれており、その上は丈の高い草で覆われている。この草生したほうの林道が登山方向である。しばらく草をかき分けながら斜面を斜め方向に向かうと稜線に出て、見晴らしがよくなる。右に回りながら100mほど進むと、林道の終点となる。
林の中に入って行くが、踏み跡がついており、道に迷うこともない。踏み跡が弱いので落ち葉の季節は覆われて、見えにくいので注意が必要だ。緩い登りが尾根に達すると伐採地に飛び出す。北面が一望でき正面にどっしり構える本仁田山の意外な姿に目を奪われる。
巨岩が転がる山頂
伐採地から200mほどの急斜面となり、674mのピークに立つ。ここからの眺めがよい。いったん20mほど下るが、約1.5kmの、ひたすら急斜面の登りが続く。
ようやく着いた天地山の頂上は大きな石が数個ある4、5平方mくらいの狭い場所で、北方向に少し見晴らしがあるが、あとは広葉樹で覆われている。馬酔木の木がたくさんある。朽ちた木製の板に山名を示す表示が読める。
朝、奥多摩駅を出発すると、この場所で昼食にするのにちょうどいい時間となる。他に適当な平坦地がない。しばらく休憩。昼食を終え頂上から下ると、いきなりコルに落ちる岩の交じった超急傾斜となる。フィックスロープはあるが、慎重に足を運ぼう。立木と岩肌が下りるのを助けてくれる。
木の間から左手に鋸山の山頂が見える。底まで下りると再び急登が続く、ぐんぐん登るしかない。やがて鋸尾根との合流点に到達する。ここに道標があるが、「天地山方面は行き止まり」の看板が地面に落ちている。鋸山まで300m。余裕があれば往復してこよう。鋸山の頂上に広場がある。周囲を木立で囲まれ、見晴らしは期待できないが、御前山、大岳山へ行くルートの交差点なので寄ってみる価値はある。
あとは鋸尾根をひたすら下山するのみ。尾根には、痩せた部分や岩場、梯子などもあり、気が抜けない。疲れた脚での転倒に気を付けながら下って行こう。
鋸尾根は気が抜けない
鋸山の山頂から下ると鞍部に出る。ここにも大ダワ・御前山への道があり、鉄の階段が尾根のすぐ近くまで上がってきている。ここからの鋸尾根は、露岩と木の根っこの出たヤセ尾根、ところどころ岩場に掛けられた梯子や鎖場があり、気が抜けない。鎖場コースも出てくるが、自信のない人は敬遠しておこう。小さなアップダウンも交えて1時間ちょっと下り、わずかに登り返すと大天狗・小天狗の石像が祀られている天聖神社の岩峰に着く。晴れていれば、石尾根の眺めが素晴らしく、ひと休みするにも恰好の場所だ。
さらに30分ほど、電波塔を過ぎて登計(とけ)峠へ。集落への林道を左に見て鳥居をくぐり、愛宕山に上る石段を上ると、火の神を祀る本殿があり、裏へ回ると五重塔が建つ広場に出る。さらに、垂直に見えるほど急な約180段の石段を下り、愛宕園地を抜けて昭和橋で多摩川を渡れば、かつて氷川と呼ばれたJR奥多摩駅に着く。
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)
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