37.笹平から嫁取坂、市道山、臼杵山、元郷

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★★★ コース NO.37

笹平から嫁取坂、市道山、臼杵山、元郷

/急勾配の嫁取坂を越え、失われた三角点の市道山へ/
1. 市道山  795.2m

JR武蔵五日市駅→西東京バス30分→笹平バス停→2時間→縦走路→5分→市道山→1時間30分→臼杵山(南峰)→5分→荷田子峠分岐→50分→元郷バス停→西東京バス18分→JR武蔵五日市駅
 (歩行時間/約4時間30分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

小坂志川林道を登山口へ

 JR武蔵五日市駅から登山口がある笹平バス停まで約30分。バス停脇にある道標に従い、小坂志川沿いの林道を登山口へと進む。道端には、身頃は6月と思われるタマアジサイが目立つ。これから向かう市道山山頂では、その時期に野イチゴが楽しめたと聞く。沢の音を耳にしながら、集落の中を進み、大きな橋を渡ってアスファルトの道を歩いて行くと、天光寺の入り口がある。これを見送り、その先の砂利道を進んで行くと、小さな石橋があり、カナバ沢の分岐の先に登山口の道標が立っている。道標は電柱に隠れて見落としやすいので注意する。左の川に下り、苔むして朽ちた滑りやすい橋を慎重に渡る。地図の等高線が詰まっていいて急登を予想していたが、その通り、道はスギの植林の中の急坂になり、ジグザグを切って高度を稼いで行く。

村の男女が出会った嫁取坂

嫁取坂

 市道山へは、嫁取坂(よめとりざか)と呼ばれる急勾配の尾根道が続いている。その昔、八王子の絹織物が盛んだった頃、檜原村から大勢の若者が生糸を担いで、この道を歩いた。村の男女が出会うことから、やがて「嫁取坂」というようになった。昭和の初め頃まで、山仕事や畑仕事がない冬の時期に、檜原村から多くの若者が出稼ぎに行ったのもこの道だ。秋川に沿った川沿いの道に比べ、山越えの道は坂が多く厳しいが、その分距離も短く、山慣れた人にとってはむしろ楽だったようだ。
 昔の人々の生活を支えた山道だと回想しながら、その先、尾根の斜面を横切り、緩急のある登りを繰り返して行くと、やがて明るい林に変わり、左手の樹間からは臼杵山の山容が望まれる。

尾根道合流点

右側が切れ落ちた細い道を越えて行くので、バランスには注意して確実に歩を進めよう。頭上がさらに明るくなる頃に、ようやく臼杵山への道標がある市道山への肩に出る。
 市道山へは右へ進む。市道山の山頂は、東方向に展望が得られ、広くはないが、樹林に囲まれ落ち着いた休息地だ。
 山頂からは、戸倉三山のひとつ刈寄山、さらに五日市の市街地が望まれる。市道山とは、五日市の市に行くのに使った道だったのでこの名が付いたという。山頂から五日市方面に下る道は荒れ果てて廃道となっている。1/25000地形図には三角点が表記されているが、山頂のどこを探しても見つからない。国土地理院の基準点成果等閲覧サービスの基準点詳細にも1974年以降観測されていないと記載されている。果たしてどこへ消えたのか。

 

展望を楽しみながら元郷へ下る

臼杵神社

 臼杵山に向かう。市道山からの縦走路は、木の根が露出した急な登下降を繰り返す。180m近く急下降したのち、100mほど登り返したピークが石津窪山(749m)だ。さらにアップダウンを繰り返して臼杵山に着く。途中、道標に「オツネの〝半〟泣坂」と誰かが落書きしていた。

アンテナ施設

三頭山の北側に「オツネの泣き坂」といわれる急斜面がある。それに近いということらしい。
 臼杵山は、臼杵権現さまが祀られている。下山は、神社を通り過ぎて急坂を下る。丸太が腐ってしまった階段や石の階段がところどころにあるので慎重に。テレビ中継アンテナの施設を過ぎ、急降下の道を下る。再度、中継アンテナを過ぎ、滑りやすい急坂を下って行くと、春にはヤマツツジがみられる穏やかな道となり、しばらく進む。山腹を巻いて、ジグザグを切って行くと、広葉樹林の道になって、元郷方向を示す道標がある。草地に覆われた道に足を進めると、集落が見えてくる。堰堤がふたつあり、最終堰堤の左側を下ると民家の間から檜原街道に出る。元郷のバス停はすぐ向かい側だ。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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