★★★★ コース NO.02
雲取山から長い石尾根を縦走して奥多摩駅
/雲取山から奥多摩駅まで幾多のピークを越える/
1.七ッ石山 1,757.3m
2.六ッ石山 1,478.8m 3.狩倉山 1,452m 雲取山荘→35分→雲取山→50分→奥多摩小屋→25分→ブナ平→20分→七ッ石山→20分→千本ツツジ→35分→高丸山→45分→日蔭名栗山→35分→鷹ノ巣山避難小屋→40分→鷹ノ巣山→35分→水根山→城山経由60分→将門馬場→30分→六ッ石山→狩倉山経由50分→三ノ木戸分岐→三ノ木戸山経由1時間10分→登山口(林道分岐)→40分→JR奥多摩駅 (歩行時間/約9時間50分)
登山道グレード/★★★ 体力グレード/★★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★★
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雲取山から七ッ石山へ
東雲取山山頂に新しい標識が立った。一等三角点があり、眺めは抜群だ。避難小屋の前から東側を眺めると、これから歩く石尾根の防火帯とその中にある登山道の様子がよく分かる。急な砂利道をジグザグに下ると、雲取山荘からの巻道や、日原方面から登ってきた富田新道が北側のカラマツの樹林帯から合流してくる。やがて、やや開けた奥多摩小屋跡を通るが、小屋は残念ながら2019年に取り壊され、今は更地になっている。奥多摩小屋跡の少し先にはヘリポートがあり、さらにその先の広々とした樹林帯がブナ坂、鴨沢へ下る分岐点だ。まっすぐ目の前の急登を登って七ッ石山に向かう。
七ッ石山を越えて東に下り、小屋からの道と合流すると100mほどで尾根道と巻道に分岐するが、分岐点には標識がない。尾根道は左の尾根へ続くわずかな踏み跡がある程度で、気が付かないと右の樹林帯の広い巻道に入ってしまう。
ここから三ノ木戸山まで尾根道と巻道が合流したり分岐したりする。分岐点から尾根道に入り200m弱のところに、小さなコブがあり「林班界標・51/50」と書かれた標識がある。尾根道は大きく右に曲がって、防火帯の中に続いている。直進する方向(北東)に広い尾根が続いているが、防火帯も登山道もないので直進しないように。500mばかり進むと峰谷集落から赤指尾根を登ってきたルートと合流する。千本ツツジ(1,700m)だ。5月にはヤマツツジの花が見られる。
やがて尾根道と巻道が一度は接するが、すぐに分かれる。尾根道のなだらかな坂を登り切ると高丸山(1,733m)に着く。名前の由来が「頂き部分が丸みを持っている」といわれているように、いかにものどかな山だ。右折して防火帯の中に作られた急な道を下り、さらになだらかな道を登り切ると日蔭名栗山(1、725m)に着く。
頂上から南に富士山、西に雲取山から奥秩父連山、東に鷹ノ巣山、御前山、大岳山などが見渡せる。防火帯に沿ったなだらかな道を、これから登る鷹ノ巣山(1,736.6m)を見ながら下り、高丸山、日陰名栗山を巻いてきた道と合流すると間もなく立派な鷹ノ巣山避難小屋が見えてくる。奥・峰集落へ通ずる浅間尾根ルートを200mほど下ると水場もある。小屋の前と近くの高台にベンチがあり憩いの場所である。ここで巻道は樹林の中へ分岐して行くが、正面の防火帯の急斜面の尾根道をたどると、40分ほどで広々とした鷹ノ巣山に着く。東面、南面の見晴は抜群で、二等三角点がある。北面の樹林の中から、日原からの稲村岩コースが合流する。
鷹ノ巣山から六ッ石山へ
鷹ノ巣山頂から広い急な道を800mほど下ると、右手下に巻道が見えてくる。最接近したところには道標があり、双方をつなぐ登山道もある。榧ノ木尾根コース、水根沢林道コースを下りる場合は、ここで巻道に入らなければならない。尾根道を直進し、だらだら道を登り切ると水根山(1,620m)に着く。南北に樹林が密集していて頂上からの眺めはよくない。のどかな気持ちのよい尾根道をたどると、目前に枝ぶりのよい1本のブナの大木が現れ、そこを過ぎると間もなく、かろうじてピークと分かる丘のようなところが城山(じょうやま/1,523m)だ。奥多摩町誌によると「平将門の一夜城のあったところと伝えられ、付近に将門伝説が多い」という。
城山から400mほど進むと、行手を遮るように茶色のロープが張ってあり、右下方向を指した道標に「石尾根、六ッ石山方面」と書かれている。つまりここは右折しなさいということだ。右折するとすぐに急な下りとなり、浮石も多く落石に注意したい。200mほど下ると平坦な道が続き、そのあたり一帯が将門馬場(1,455m)だ。鷹ノ巣山避難小屋で分岐した巻道と合流し、起伏の少ない歩きやすい道が30分ほど続くと六ッ石山分岐点に達する。戻るように右手の道を登ると5分で六ッ石山である。山頂は樹林が多くあまり眺めはよくない。
六ッ石山から奥多摩駅へ
山頂から六ッ石山分岐点の道標の方へ戻り再び縦走路に入ると、すぐに尾根道と巻道の分岐点がある。標識はない。右手の巻道が広くしっかりしているが、左手の尾根道はけもの道のようにしか見えない。
分岐してから2、300mは、お互いの道が見えるような近いところを並行している。その両方にまたがるように、苔むしたいくつかの小さな岩と、その中に崩れた祠があった。それが六ッ石神社だ。
神社を過ぎてしばらくすると、左手に高さ5mばかりの小さなコブがあり、このあたりから尾根道と巻道は離れていくので、尾根道をたどる場合は、左手の高いところを歩いたほうがよい。周辺で一番高いと思われる場ところには、赤いペンキを塗ったコンクリートの杭があるだけで、何も標識はない。このあたりが狩倉山山頂である。
ここで右折して右下がりの防火帯に沿って4、50分下り、桃ノ木ノ頭(1,160m)を越えると、三ノ木戸コースへの分岐点である。分岐点には立派な道標が立ち、巻道は左の樹林帯に入って行く。
防火帯の尾根道は、この道標の裏の方向にあり、かすかに踏み跡が残っているのだが、道標には何も表示されていない。この踏み跡をたどって進むと、これ以上高い場所がないと思われるところに、何とか「三ノ木戸山」(さぬきどやま/1,177m)と読める古い小さな木片が切り株に紐で括りつけられている。
七ッ石山から分岐と合流を繰り返してきた「尾根道」と「巻道」はここで合流して奥多摩駅方面に向かう。絹笠集落跡への途中、右手に絹笠山(814m)がある。三ノ木戸集落へ通じる舗装された林道に出て登山道は終わる。ジグザグの林道をショートカットするように奥多摩駅への道標に従って急な階段を下ると 羽黒三田神社を経由して再び元の林道に戻る。稲荷神社を通って日原街道に出ても、随身門を潜って、青梅街道からむかし道への入り口を経由しても、氷川大橋はすぐだ。 この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)