45.羽村堰から草花丘陵、浅間岳、大澄山

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★★ コース NO.45

羽村堰から草花丘陵、浅間岳、大澄山

/多摩川に臨み、地元の人にも親しまれる三角点峰/
1. 浅間岳    235.2m

JR羽村駅→20分→禅林寺15分→羽村の堰→20分→羽村市郷土博物館→25分→羽村神社→5分→浅間岳→50分→立川国際カントリー倶楽部入口→10分→妙見堂→15分→羽村大橋からの車道→15分→浅間岳への標識→10分→大澄山→10分→草花神社→20分→永田橋→25分→JR福生駅  (歩行時間/約4時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★

S字形に広がる緩やかな丘陵

禅林寺

  羽村市からあきる野市にかけて流れる多摩川の右岸に標高200m前後の緩やかな丘陵が広がり、それを羽村・草花丘陵と呼んでいる。川の流れがS字形に曲がり、この地形を利用して集水した水が江戸時代から玉川上水として43kmの距離を江戸へ送られた。堰を見ながらスタートする草花丘陵はアプローチもよく、サクラの季節や紅葉のシーズンになるとハイキングコースとして賑わう。丘陵の各所からは多摩川を俯瞰することができ、また西には奥多摩や秩父の山々の眺望がよく、東京都の自然公園にもなっている。

羽村堰

 羽村駅西口から直進し、新奥多摩街道を渡ると右方向に稲荷神社の立派な社殿が見える。市指定文化財である。4月には、お神輿が川に入るお祭りが行われる。境内からは丘陵がよく見え、階段を下りかけると大岳山が頭を出す。

旧田中家長屋門

道路をはさみ臨済宗禅林寺がある。入口には、羽村出身の小説家『大菩薩峠』を書いた中里介山の碑がある。お墓は本堂裏を登る。羽東(はねひがし)の地名が読める道路を進み、洋風の地域集会施設/東会館で南に折れると奥多摩街道に出る。
 右折して郵便局の前で横断すると、羽村の堰・第二水門があり、水が大きな音を立てて流れている。広場には水路を作った玉川兄弟の銅像がある。人と自転車専用の橋、羽村堰下橋で多摩川を右岸に渡り堤防沿いを歩く。羽村市郷土博物館前を右折して旧田中家長屋門を過ぎれば草花丘陵への道となる。

羽村・草花丘陵を楽しむ

羽村神社

 博物館裏の坂道は紅葉が美しい。山道は左上に向かっている。水のない沢沿いを登り、古い苔が付いた堰堤の上を3カ所ほど過ぎると山中の雰囲気になる。野草が多く見られる。緩やかに登る山道は木橋を渡り階段状に長く続いている。やがて右に折れ、ひと登りで羽村神社へ登り着く。簡素な社殿の奥からは多摩川が見下ろせる。その先には羽村と青梅、また福生方面の建物が見えて眺望が広がり気持ちがよい。

浅間岳の山頂

 神社を出て右上の尾根に上がると、すぐに浅間岳の山頂だ。山頂の広場には屋根付きの休憩所があり、周囲にベンチもあって、休憩にはよい場所である。週末にはハイカーや散歩の人たちも登って来るが、平日は静か。眺望はあまり利かず、西にはゴルフ場が透けて見える。自然林に囲まれた山頂

多摩川を眺める

でサクラの木も多く、開花の時期にはお花見が楽しめそうだ。冬枯れの天気のよい日には富士山が木の間越しに見えるかも知れない。
 丘陵の尾根を南に向かってたどる。小作から満地峠の標識で南方向の大澄山(だいちょうさん)へと向う。ゴルフ場のグリーンを眺めながら、ネットフエンスに沿って緩やかな山道が続く。左半分は自然林、右はゴルフ場だ。大きな丘陵の掲示板もあって迷うこともない。一度だけゴルフ場の道路に出るがすぐに戻り、崩れた箇所には仮の橋もあって問題なく通過できる。急坂の階段を登ると平坦な道が続き、次第に左側の多摩川が見え出す。羽村堰下橋の正面の少し先で東方面の視界が広がり、街並みが見える。登山道近くまで民家の建物が迫っている。右にゴルフ場のクラブハウスを見ると、間もなく立川国際カントリー倶楽部前の道路に出る。

大澄山と草花神社

朝日妙見堂

 道路を渡り、直進して山道に入る。すぐに右上に踏み跡があるので登ると、朝日山・妙見堂の小さな古い祠がある。最近は管理されていないのか荒れているが、昔の絵馬などが残っている。山道に下ると立派な鳥居があり、こちらが「表参道」だ。

大澄山山頂

 標識に従い250号線に出て道路を渡り、さらに大澄山への標識に導かれる。尾根道が急に狭くなると、右側に柵に囲まれた廃屋や犬小屋、家具など放置された場所を通過する。以前は犬が吠える嫌な場所だった。やがて墓地を横目に丸太風のコンクリート階段を登ると、最終目的地の大澄山(192m)だコナラの大木が屋根を覆う休憩所にはテーブルとベンチもある。この辺は駅伝コースになっていて、50年前は木が低

草花神社

く、走っている人が下からも見えたそうだ。ひと息入れたら草花神社へ下る。静かな境内である。下に見える住宅地から長い急階段が通じている。境内からは南に滝山丘陵や高尾山、景信山、陣馬山の山並みが遠く望める。左の、コケの付いた緩やかな階段をゆっくりと下ったところは草花町の住宅地だ。近くの慈照寺境内に都指定天然記念物のモッコクがある。
 左方向へと向かい、途中にある「とよ坂」の道路を覆うサクラの古木を見ると多摩川が近付く。花ノ岡陸橋で階段を下り車道に出る。多摩川に架かる長い永田橋を渡る。広い河原を見下ろすと、羽村の堰で勢いがあった流れは、ここまで来ると穏やかになっている。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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