30.笹平から松生山、浅間嶺展望台、上川乗

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★★★ コース NO.30

笹平から松生山、浅間嶺展望台、上川乗

/浅間尾根の東端に開けた明るい山頂/
1.松生山   933.7m

JR武蔵五日市駅→西東京バス23分→笹平バス停→1時間35分→払沢ノ峰→35分→松生山→10分→天領山→5分→入沢山→5分→時坂峠分岐→5分→浅間嶺展望台→1時間→上川乗バス停→西東京バス46分→JR武蔵五日市駅
(歩行時間/約3時間35分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

谷間の集落から尾根の急登が始まる

 JR武蔵五日市駅から数馬行きのバスに乗っておよそ30分、笹平バス停は南秋川が東から北に向きを変える屈曲点付近にある。民家が肩を寄せるように建っている。両側に山が迫っているため、朝のうちは、まだ日が差し込んでこない。松生山はバス停から見て右手の尾根を登る。
 バス停からは、八王子に抜ける古の生活道、嫁取坂への道が檜原街道から分かれて南秋川の支流、小坂志川に向かって下っている。松生山へは数馬方面に向かって街道を歩くこと300mほど。道路が大きく右にカーブする手前、右手の畑に上がるスロープが松生山の登山口だ。道標がないので分かりにくいが、スロープを上がって100mほど畑の間を登り、樹林に入ると松生山への道を示す道標が現れる。間もなく道はスギ林の中の急な斜面を登るようになる。登山道というより踏み跡といった方がよい道なので、尾根筋を忠実にたどることを心掛ける。緩むところもあるが、おおむね急な登りが標高450m付近まで続く。傾斜が落ち着き、498mの標高点で尾根はいったん平坦になる。木の間越しに左を見ると万六ノ頭が丸い頭をもたげている。
 やや下って登り返すとやがて540m圏のコブ。さらに尾根を上がると標高550mを超えたあたりで道は広葉樹林に入り、明るい雰囲気の中、笹尾根の一角が木の間越しに視界に飛び込んでくる。やがてヒノキ林と落葉広葉樹林が入れ代わり立ち代わり現れるようになる。途中には笹野から柏木野へ越える古い生活道と思われる踏み跡も見られる。
 701mのコブを過ぎると道はヒノキ林の中の緩い登りを行くようになるが、短い急な登りを過ぎ再び平坦になると内蔵ノ助山(783m)に着く。尾根上の平坦地といった風情で頂という感じがしない。木の間越しに富士山が顔をのぞかせている。
 かなり標高は上がってきているが、登りはまだまだ続く。背の低い笹が現れ、「南郷共益会所有地」を示す標識がところどころに付けられ、このあたりが麓の村の共同所有の森であることを示している。短い急登もあるが、プロムナードのような緩い登りが続く、歩いていて楽しい道だ。

明るく伸びやかな山頂へ

 やがて現れる払沢ノ峰(858m)はヒノキとミズナラの木に覆われ7、8人は腰を落ち着けられる場所である。右に分岐する尾根に見える踏み跡は本宿方面へ向かうもの、松生山へは左手の尾根に下る道を行く。このあたりから尾根は北から西に向きを変える。緩い登り下りを繰り返し、ミズナラやカラマツの木立越しに大岳山、御前山をはじめとする山並みを眺めながら歩いて行くと、松生山はどんどん近づいてくる。最後に緩い斜面を登り切ると、ぱっと開けた松生山の頂に飛び出る。

 山頂は南側が開け、東西に長く横たわる笹尾根と丹沢の稜線の上に姿を見せている富士山が美しい。防災無線用のアンテナと小屋が建っているのが無粋な感じでやや残念だが、頂が浅間尾根縦走の中心から外れているため、登って来る登山者も多くはなく、遠くの山並みを眺めながら静かに憩うのに打ってつけだ。
松生山の先には小さなコブ、天領山(936m)と入沢山(930m)があるが、ほとんど平坦で気持ちのよい尾根歩きが楽しめる。入沢山を過ぎると、道はジグザグに下り始めるが、すぐに時坂峠からの道に合流する。このあたりは平らな地形で樹木も少ないので明るい雰囲気が際立つ。その中に遊歩道のような道が続き、道はすぐに緩やかな登りにかかる。

 間もなく着いた場所が浅間嶺展望台である。ここから北に目を向けると大岳山や御前山が立ち並んでいるのが見える。展望台には浅間嶺の標識が立ち、その先に富士山が見える。このあたりは奥多摩屈指の展望地のひとつ。サクラの花でも有名な場所で、富士山をバックにしたサクラの花は絵になる風景として人気があり、4月になると花を愛でる人たちで賑わう。展望台から下りたところに、上川乗に下る道の分岐があり、その北側の平地には東屋とトイレが建っている。標高903mの浅間嶺(小岩浅間)はここから往復しても10分ほどだ。

関東ふれあいの道を下って上川乗へ

 上川乗へは分岐を左に入ってスギ、ヒノキの樹林の中の道を下る。関東ふれあいの道「歴史の道」の一部となっているため、よく整備されていて歩きやすい。静かな樹林の中を下って行くと南秋川沿いのバス道を走る車の音が聞こえてくる。間もなく上川乗の集落に出る。道の傍らには庚申塚や馬頭観音などの野仏が立ち並び、昔はここが生活道として人々の生活になくてはならない道だったことを思い起こさせる。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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