報告)安全対策委員会「冬山の医療講座」

 2025年11月6日(木)、国分寺市ひかりプラザにおいて冬山の医療講座が開催された。講師は野口いづみ支部長、受講者は登山教室受講生15名を含む39名であった。 内容は冬山で起こりやすい凍傷、低体温症、雪崩遭難の予防と対処方法についてである。

凍傷とは抹消の血流が低下し、組織が凍って破壊された状態を言い、受傷直後は白く見える。受傷時はなるべく早く40℃の温水で20分以上の急速融解を試みる。予防は低体温症、濡れを防ぎ凍傷の起きやすい部位を保温することが大切である。喫煙、飲酒は体を冷やす原因になるので控え、意識的に体を動かす。内服薬や軟膏で抹消循環を促すのも効果的である。

低体温症は体のコア温度が35℃以下になる状態で、震えと意識の変化で重症度がわかる。低温、濡れ、風が三大原因である。体が小さい小児や女性は熱を失いやすく、筋肉量の少ない人は熱産性が低く、皮下脂肪が多いと保温性が高い。高齢者は低体温症や凍傷を起こしやすい。これらの要因が影響したと思われる遭難実例がいくつか示された。衣服以外の予防策として水や暖かい飲み物、炭水化物の摂取に気をつけ、早期察知を心がけることが重要である。

 雪崩遭難の主な死亡原因は窒息、外傷、低体温症であり一刻も早く雪の中から救出することが重要である。15分以内に救出された場合の生存率はおよそ90%だが以後急激に低下する。救出後は胸を中心に体を温める。意識がなければ横向きに寝かせ、体や首を捻らないよう気をつける。呼吸と脈がない時は心肺蘇生を試みる。万が一雪崩に巻き込まれてしまった時はザックを外し下流ではなく表面に出るよう端に向かって泳ぐ。雪崩が止まり雪の締まる前に口、鼻、胸、腹の周りに呼吸のための空間を確保する。

以上、正しい知識と予防が大切であることを学び、今後の冬山登山に活かしたいと思った。

(文/ボシエール、写真/村岡 

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