日 時
2022年10月25日(火)18時30分~20時15分
会 場
立川市女性総合センター5階第3学習室
演 題
NHKダーウィンが来た!多摩川トライアングルの知られざる自然
講 師
映像作家 平野 伸明 氏
参加者
一般 4名、会員 23名、計27名
報 告
最近NHKテレビで「ダーウィンが来た」「ワイルドライフ」などで多摩川トライアングルが紹介されているが、そこに出演されている平野氏が今回の講師である。ワイルドライフの映像を6分程放映後講演が開始された。自己紹介では、鳥を捕まえるのが好きな少年で飼ってもいたが、可哀そうだから飼うのを止めて写真を撮るのが面白くなった。23歳の時自然雑誌「アニマ」に掲載される。30歳の時平凡社から「チョウゲンボウ」の写真集を出したご褒美にサハリンに行った。5年間ほどサハリンに在住したが、雄大だがツンドラなどで生きものに会うのが大変。それに比べ日本は奥多摩などに行けば多くの生きものに会えるし、里山には生きものが濃い。奥多摩、多摩川などに興味があった。自然を撮影してちゃんと見てもらいたい。奥多摩を撮り始めた。「ミゾゴイ」(エボ)は孤高の鳥で群れないし警戒心が強く動かずじっとしているので巣を見つけるのに苦労をした。盆堀川で発見し撮影した。国鳥「キジ」(雄)は子育てをしない定説は間違いで、雌がどこで巣を作ったかを知っており雄の足元で子供がじゃれたりしている。アオダイショウと戦い徹底的にやっつける。このような新しい発見を皆に見てもらいたい。
神奈川県照ヶ崎の「アオバト」は塩水を飲みにくる。繁殖期は森の中で木の実を食べ、固形物を雛に与えるが、カリウムなどの塩分が必要となり雛に与える。奥多摩の都民の森にもいる。生態がわからないので番組を作りたかった。群馬の上野村では温泉水を飲みにくる。撮影のため1本道でゲートを作った。6~8時頃温泉水を飲みに来るが、写真を撮りたい人は宿で朝食後に来るとアオバトとかち合ってしまう。朝早く来てもらうようにルール作りをした。生きものの生き方を知って接することが大事で、やみくもに近づかない。
多摩川トライアングルは、平野氏などNHKで命名した。平野氏は話し始めると止まらずわくわく感がこちらまで伝わる熱心な講演であった。少し残念であったのは、鳥以外の多摩川トライアングルの動物達にももう少し触れて欲しかった。
(文:河野悠二、写真:石塚嘉一)