【日 時】
2024年5月31日(金)~6月2日(日)
【天 候】
5/31 曇りのち雨、6/1 晴れ、6/2曇り時々雨
【参加者】
11人/安藤、大井、鬼村、高岡、富永(SL)、内藤(L)、中島、中山、古谷、宮田、山下
【行 程】
(1日目)10:00三瀬谷駅(タクシー)=11:20~12:00大杉峡谷登山口(昼食)→14:30千尋滝→15:40~16:00シシ淵→16:30平等嵓吊り橋→17:20桃ノ木山の家(泊)
(2日目)6:35桃ノ木山の家→7:15七ツ釜滝→9:40堂倉滝→11:15~35粟谷小屋(昼食)→14:20~50日出ヶ岳→15:45尾鷲辻→16:20大蛇嵓→16:50尾鷲辻→17:30心・湯治館(泊)
(3日目)8:30心・湯治館→9:10松浦武四郎碑→10:20七ツ池→11:30開拓分岐→12:05~35展望所(昼食)→12:55開拓分岐→14:45~15:30大台ヶ原駐車場(タクシー)=16:50大和上市駅(解散)
【記 録】
三瀬谷駅は小さな無人駅だが特急の停車駅になっている。一部は夜行バス、多くは新幹線から南紀1号に乗り継いで到着した。タクシーで登山口へ。台風1号の影響はさほどでもなく、天気は大丈夫そうだ。お昼を食べながら自己紹介を済ませて出発。ゲートをくぐるといきなり大日嵓の断崖絶壁の道が始まった。青緑色の水の流れが遥か下に見える。今日は宿まで緊張感のある渓谷の道が続く。吊り橋を3本渡って2時間半ほどで、対岸に大きな滝が見えてきた。千尋滝だ。落差160mで大杉谷随一だが、下の方は樹林に隠されている。さらに1時間ほど歩いてようやく大杉谷のシンボル、シシ淵に到着。青い水を湛えたゴルジュの奥に落差のある細い滝が落ちるその絶妙な配置にため息が出た。日光のもとで見たらさぞ美しいことだろう。この辺りで雨が降り出し、よく見ると地面にはヒルが這っていて気味が悪い。平等嵓の大岩壁を過ぎ、無事、桃ノ木山の家に到着。裏口に案内されてヒルのチェックをすると、約半数が被害にあっていた。このあと風呂に入って緊張をほぐしてから夕食となったのはうれしかった。
翌日は晴天。気が抜けない道が続く。七ツ釜滝、光滝、隠滝、与八郎滝と魅力的な滝が次々に現れる。最後は美しい釜を持つ堂倉滝。ここで沢を離れて、標高差1000mの尾根を登る。昼食休憩をはさんで4時間半。日出ヶ岳の山頂からは、大峰山脈や熊野灘の眺望が得られた。緩やかな起伏の散策路をたどって正木ヶ原へ。見通しのよい笹原に白骨化したトウヒが点在している。かつては苔に覆われた森だったそうだが、伊勢湾台風での倒木をきっかけに、トライブウェイの開通やニホンジカの増加が重なって今の姿になったそうだ。尾鷲辻から大蛇嵓をピストンして、スリル満点の岩峰を楽しんでから心・湯治館に入った。
3日目は、西大台を歩いた。入域のために事前申請とレクチャー受講が必要。朝一番にレクチャーを受けてから出発。西大台には、かつての大台ヶ原の苔生す森の面影が残されている。俄雨に何回か襲われたが、雨に濡れた苔も美しかった。展望所から霧に霞む大蛇嵓の岩壁を眺め、駐車場に戻る。タクシーで大和上市駅に出て解散。日本一の多雨地帯の豊かな雨に育まれた峡谷から苔生す森へと至る、変化に富んだ山旅だった。(文/内藤 写真/内藤、安藤)