13.大丹波川から棒ノ折山・黒山、名坂峠

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★★★ コース NO.13

大丹波川から棒ノ折山・黒山、名坂峠

/山頂はかつてカヤの原っぱだった棒ノ折山/
1.棒ノ折山  969m
2.黒山    842.3m

JR川井駅→西東京バス17分→清東橋バス停→10分→奥茶屋→35分→山ノ神→1時間→棒ノ折山→15分→権次入峠→20分→黒山→25分→逆川ノ丸→55分→輿越山→15分→名坂峠→50分→八桑バス停→西東京バス5分→JR川井駅
(歩行時間/約4時間45分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

山名の由来も諸説あり

奥茶屋

 棒ノ折山は、奥多摩町大丹波と埼玉県飯能市名栗との境にある。国土地理院の1/25000地形図「原市場」には棒ノ嶺(棒ノ折山)と記されているが、東京では棒ノ折山が一般的だ。「多摩郡村誌」には棒之折山、「武蔵通志(山岳篇)」には棒折山と記されている。
 宮内敏雄『奥多摩』によると、名栗側では坊ノ尾根と呼んでおり、昔からこの山はカヤトで有名で、毎年ここを火入れしてカヤを生い茂らせたそうだ。これに対し、大丹波側では石棒を祀った名残があり、それが名栗側の坊ノ尾根と混乱混同したのであろうという。
 登山コースは、埼玉県側からは名栗川方面の白谷(しらや)沢を登るコース、東京からは青梅市成木の小沢(こざわ)峠から黒山経由のコースと奥多摩町大丹波百軒茶屋のゴンジリ沢沿いのコースがある。ここでは百軒茶屋のゴンジリ沢沿いのコースを紹介する。コースの百軒茶屋~棒ノ折山~黒山~名坂峠は「関東ふれあいの道、山草の道」となっている。

ゴンジリ沢沿いから山頂へ

山ノ神

 JR青梅線川井駅近くのバス停からの便は本数も少ないので調べてから計画しよう。特に、最奥の清東橋バス停までは注意が必要である。清東橋バス停には休憩所がある。ここからは、大丹波川沿いの舗装道路を百軒茶屋経由で奥茶屋まで行き、道標に従い右に分かれ大丹波川の橋を渡り、ゴンジリ沢沿いの登山道に入る。沢沿いにはワサビ田がよく手入れされており、山ノ神の祠まで続いている。山ノ神までは、ゴンジリ沢を何回か橋で渡る。
 山ノ神から沢を離れ、急な斜面の登りがしばらく続く。尾根に上がると少し楽になり、雑木林になると一旦平坦になる。ここからは岩と木の根交じりの急な尾根を登る。山頂に近くなると、頂上にいる登山者の声が聞えてくる。棒ノ折山の頂上は広く東屋やベンチがあり、北面側が開け、奥武蔵方面の展望がよい。運がよければ、榛名山、赤城山、谷川岳、日光白根山などが眺められる。
 黒山から東に走る小沢峠への尾根と分かれ、東南の尾根を行く。小ピークを4つほど越えると基準点のある雑木に囲まれた逆川ノ丸(さかがわのまる/841m、常磐ノ前山)に着く。

関東ふれあいの道を行く

棒ノ折山

 棒ノ折山で展望を楽しんだら、権次入(ごんじり)峠までゆっくり下って行く。峠は、飯能側の白谷沢コースとの合流点で、名はゴンジリ沢による。峠からは右側の登山者が少ない黒山・岩茸石山方面の尾根に入り、少し下ると急な下りと2回の急な登りで三等三角点のある黒山(常磐山)に着く。頂上からは南面側の木の間越しに大岳山が見える。

権次入峠

宮内の『奥多摩』がおもしろい話を伝えている。成木方面で黒山が常盤山とも呼ばれるは、黒々と生い茂った樹林に印象づけられたものだろうと。また「常盤ノ前山は、常盤山の前方の山であることは申す迄もないが、名称からまた伝説が生まれ、常盤御前がこの麓に住んでいたとの話から、高水山の常福院には常盤御前愛用の鏡が宝物になっているし、飯能附近にはその墓までもある」と述べている。
 さらに尾根を行くと、道標に手書きで「常盤の前山」とあるところで左に曲がり、急な下りを行くとトラロープのある小さな岩場を抜け、その先右側に切開きの展望台に着く。大岳山、御岳山の展望と奥には富士山の頭も見える。ここからも尾根を忠実に、小さいながらピークを幾つか越え、急な登りを終えた道標の左奥に、なだらかな輿越山(こしごえやま/725m)がひっそりとある。

名坂峠から八桑まで

逆川ノ丸

 登山道に戻り、さらに三段の急な登りを過ぎ、急な下りで名坂峠に着く。この峠で升の滝・上成木バス停、大丹波・川井駅及び岩茸石山・惣岳山方面に分かれる。体力に余力のある人は、岩茸石山・惣岳山経由で御嶽駅に下れば、さらに充実した山行になるだろう。
 大丹波・川井駅に向け、峠からのトラバース道先の急な下りは15mほどだが、滑りやすいので注意しよう。しばらくトラバース道を行くと、露岩の下が崩れトラロープのあるところを慎重に越せば、尾根上の道となり、ほっとするが、それもしばらく下ると常雲寺沢の源頭に向けトラバース道を詰める。この沢沿いの道は、一部沢が荒れているため道が不明となっている部分があるので注意して下る。橋を2カ所ほど渡ると、下に舗装された林道が見えてくる。林道をたどるとバス道に降り、右手に八桑のバス停がある。バス便が少ないので時間帯によっては川井駅まで歩いても40分ほどである。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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