22.養沢神社・サルギ尾根から高岩山へ

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★★★ コース NO.22

養沢神社・サルギ尾根から高岩山へ

/天空に浮かぶような展望デッキからの大展望/
1.上高岩山   1,010m

JR武蔵五日市駅→西東京バス40分→大岳鍾乳洞入口バス停→1時間30分→高岩山→30分→上高岩山→25分→芥場峠→50分→七代ノ滝→25分→長尾平→25分→御岳ビジターセンタ−→40分→ケーブルカー滝本駅→25分→JR御嶽駅
(歩行時間/約5時間10分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

山間に鎮まる養沢神社から静かな尾根道へ

養沢神社

 幾筋も数えられた武蔵御嶽神社への参道の中でも主要なルートのひとつだったのが古甲州街道から分かれて養沢川沿いにたどる道だ。急峻な登りが続き、大汗をかかせられるが、上高岩山の展望デッキに到着したとたん、涼風と素晴らしい展望にすべての疲れが雲散霧消していくのを感じる。
 JR武蔵五日市駅から上養沢行のバスに乗っておよそ40分。朱塗りの大岳橋を渡ったすぐ先の大岳鍾乳洞入口でバスを降りる。養沢神社に参拝し、右手にある高岩山の道標からサルギ尾根の登山道に入る。墓地の横を抜け、スギと竹を刈りはらった後の開けた急斜面を登って行く。背後を振り返るとまさに転げ落ちるような急斜面だ。

大名子ノ頭

 急な登りはやや落ち着いてくるが、その先も登りは続き、しっかりと汗をかかせてくれる。大名子ノ頭(おおなこのあたま/標高656m)を越えると登りはようやく緩やかになり、露岩が目立つようになる。

高岩山山頂道標

標高700mあたりから道は平坦になり、路傍に炭焼窯跡が現れる。平らで落ち着く場所だ。時間的にも最初の休みはこのあたりでとることになろう。
 その先、露岩交じりの急な尾根をしばらく登って行くと、標高809mのコブに出る。7、8人でいっぱいになってしまうような狭い頂にはベンチと道標があり。北側から日の出山、御岳山、また右手からは東京の街並みが視界に飛び込んでくる。
 標高880mあたりでいったん平らになるが、そこからさらにひと登りすると高岩山の山頂に出る。ここも10人でいっぱいになってしまいそうな頂だが、南側の視界が開け、サルギ尾根のすぐ南に並行して延びる馬頭刈尾根が塀のように立ちふさがっている。

天空の休み場へ

 高岩山からは60mほど下って、小さなコブをひとつ越える。再びミズナラやイヌブナ林の中の急な登りが続く。左から上がってくる尾根に乗り、ヒノキ林の中の急登を登り切ると大きな展望デッキがある上高岩山に着く。周囲から見るとまるで天空に浮かんでいるようにも見える。デッキ上には東屋が建ち、30人くらいは座れそうだ。東側の展望もなかなかだが、振り返ると視界に入ってくる大岳山のドンと立ち上がった偉容が印象的だ。

 頂上をあとにして春岩山(1,010m)を越え、露岩交じりの尾根を細かく上下しながら、中ノ沢ノ頭(1,040m)を巻いて尾根をたどると芥場峠に達し、大岳山から下って来る山道と合流する。右に下ると急に登山者が増え、これまでの静けさとはうって変わった賑やかな道となる。ミズナラとイヌブナの緑を見ながら行くと橋を渡って沢沿いを行くようになる。東屋を横に見て過ぎると、間もなくベンチ、トイレの設置されたロックガーデンへの入り口がある。
 沢を渡ってすぐ左手を見ると綾広ノ滝がある。水量がそれほど多くないので、豪快さはないが、滝行が行われる場所ということもあり、雰囲気がある。ロックガーデンの中は奇岩あり清流あり、美しい緑ありと、とても気持ちが癒される。沢を渡ってやや登りにかかり、登り切ったところが天狗岩だ。その名にふさわしい岩が立ち、七代ノ滝(ななよのたき)への道を右に分けている。滝へは急な斜面を鉄の梯子を頼りに下って行く。下りついたところのやや右奥にあるのが七代ノ滝だ。綾広の滝に比べ、水量が多く迫力がある。

御嶽神社の参道を下る

 長尾平(なごおだいら)に向かってヒノキ林の中を登り返す。道がジグザグに切ってあるので登りやすい。登り切ると茶店とベンチのある広場に飛び出す。長尾平から先はケーブルカー御岳山駅に向かうと5分ほどで武蔵御嶽神社の下に出る。神社の鳥居をくぐってみやげもの屋が軒を並べる路地を抜けると、日の出山への縦走路が右に分かれている。御師集落を抜けて5分、左側に御岳ビジターセンターがあり、その前を右手に下ると、ケーブルカーを使わず山麓まで下る表参道となる。車1台が通れそうな幅で鬱蒼としたスギ林の中を緩やかに下って行く。大きなスギにはナンバリング、路傍にはそれぞれいわれのある場所があって面白い。
 1時間もかからずに、ケーブルカーの滝本駅に到着する。JR御嶽駅までバスが出ているが、さらに道を歩いて下ると吉野街道とのT字路になる。街道の横断歩道を渡ったところから標識に従って下って行き、神路(かみじ)橋を渡ると右手に御岳渓谷遊歩道に下る道がある。御岳橋の下まで、およそ15分の多摩川沿いの道は緑と清流を楽しみながらの、心安らぐハイキングだ。川に沿って歩き、御岳橋をくぐって石段を上がるとJR御嶽駅は目の前だ。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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