23.白岩山の滝から麻生山、勝峰山

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★★★ コース NO.23

白岩山の滝から麻生山、勝峰山

/将門伝説を秘めたロマンを訪ねる/
1.白岩山  631.7m
2.勝峰山  454.3m

JR武蔵五日市駅→西東京バス20分→白岩滝バス停→30分→白岩滝→40分→麻生山林道終点→30分→麻生山→40分→タルクボノ峰→10分→白岩山→20分→梵天山→30分→真藤ノ峰→10分→新秩父線鉄塔→40分→深沢山分岐→(深沢山往復20分)→深沢山分岐→35分→勝峰山→20分→鈴石・血の池→30分→旧国有鉄道武蔵岩井駅跡地→15分→幸神神社→20分→JR武蔵五日市駅 (歩行時間/約6時間30分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

ふたつの滝を見てロンデン尾根を目指す

白岩滝バス停

 JR武蔵五日市駅から松尾行き、またはつるつる温泉行きのバスに乗り、約20分で白岩滝バス停で降りる。林道を約1km歩いて雨乞いの滝を過ぎると、白岩滝はもう少しだ。三段に分かれて清流が細く長く流れる姿が美しく、「日本の名瀑」として紹介されている。周辺にはウツギやエゴノキが多く初夏には白い花を咲かせる。木道と階段は滑りやすいので注意が必要。間もなく「麻生平四季の森」の看板が目に入る。しばらく森の中を歩くと麻生山林道に出る。広く伐採されて視界が開け、日の出山から三室山の稜線が目の前だ。
 西に20分ほど進み、稜線上の十字路に出ると左側に麻生山に登る細道があり、15分ほどで頂上に着く。見晴らしはないが、山頂の雰囲気を味わう。頂上から南東へ下り、先へ進むと先ほどの十字路から続く金毘羅尾根への登山道に合流する。明るく開けた道をしばらく行くと、右側の奥の高台に「新秩父線」の送電鉄塔が立つ。ここがタルクボノ峰(680m)だ。この先数分で道は左右に分かれる。右の金毘羅尾根への道と分かれロンデン尾根を幸神(さぢかみ)方面へ行く。

白岩山から深沢山へ

 左側の金網に「危険・立入禁止」の札の掛かる道を進むと、白岩山への標識が目に入る。以前はこの東側の肝要集落から直接、白岩山に登るコースもあったが、現在は金網で仕切られ閉鎖されている。白岩山頂の立派な三等三角点も金網を背に孤独でやや寂し気である。以前は、もっと威風堂々としていたような気もする。白岩山から急なスギ林の細道を下り、小さなピークを越えて登り着いた少し開けたところが梵天山(607m)だ。
 スギ、ヒノキなどの針葉樹林と薮道が続く。真藤ノ峰(543m)への急な下りは険しいので注意したい。新所沢線の鉄塔までも薮が多く迷路に踏み込まないよう要注意。鉄塔から南に下る道は深沢集落に下るルートだ。深沢集落は旧深沢家の土蔵で発見された「五日市憲法」が有名だ。鉄塔から勝峰山方面に直進するルートは、時期によっては深い薮なので要注意。3つほどピークを越えると深沢山(460m)との分岐点に着く。深沢山へは10分ほどの距離なのでルートからは外れるが、往復してみることをお勧めしたい。アップダウンが少ないうえ深い里山の趣がある。頂上の標識はあるが、三角点はない。

将門伝説に由来するいくつかの地名

 分岐路に戻り、勝峰山に向かう。20分ほどの登りで頂上に着く。頂上は鬱蒼とした数十本のサクラやカエデの大木に覆われ傍らに鎧塚がある。頂上には幟旗も奉納されている。1200年も前に平将門がここに一夜城を築いて籠もり、敵を迎え撃ったなど、いろいろな伝説が残されている。頂上のすぐ東側下に展望台があり、日の出町、福生市、あきる野市方面の展望が見事だ。勝峰山の歴史と将門伝説について解説された掲示板がある。
 頂上から下山路にかけて、NPO法人によって案内板や登山道が整備されベンチも置かれている。途中に小さな祠があり、隣に「血の池」「鈴石」の案内板が目につく。水のない池の傍らに不思議な形の鈴石が置かれている。この石は過去、何度もなくなったり池に落とされたりしたが、そのたびに元の位置に戻ったという。「鈴が御前石」ともいわれ、将門の愛娼の名前に由来するという言い伝えもある。血の池は伝説では満々と水が溢れていた時代もあったそうだ。現在はまったくの水無し池である。将門伝説に由来する地名として、将門坂(まざか)、矢越沢(やこうざわ)、通矢尾根(つうやおね)などがある。

勝峰山林道から幸神神社へ

 まもなく林道に出る。この林道ともう1本、セメント工場に下る林道もあるので要注意。林道をしばらく下った右側に、初夏には大きなスギの木に絡んだテイカカズラの真っ白な花が見られる。9〜10月頃なら道端にヤクシソウの黄色い花が咲き乱れる。林道を下る途中、右側に幸神方面に下る山道もあるが、薮が多くお勧めできない。そのまま林道を15分ほど下ると、昭和30年代まで使用されていた旧国有鉄道武蔵岩井駅の跡地に着く。今は跡形もなく片づけられ、資材置き場等に利用されている。
 幸神神社までは鉄道跡地を歩いて15分ほどの距離である。幸神神社とその境内にあるシダレアカシデ(国指定天然記念物)の大木は一見の価値がある。幸神神社のすぐ先の右側に大久野駅があったが、今は屋根付きのゲートボール場になっている。ここから武蔵五日市駅までは歩いて約20分、大久野中学校前からのバス便もある。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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