24.浮橋を渡りおツネの泣き坂、三頭山

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★★★ コース NO.24

浮橋を渡りおツネの泣き坂、三頭山

/奥多摩湖から趣のある峰を越えて三頭山に/
1.イヨ山    979.1m
2.ヌカザス山  1,175m
3.入小沢ノ峰  1,302m
4.三頭山    1,531m

JR奥多摩駅→西東京バス26分→小河内神社バス停→20分→三頭山登山口→50分→イヨ山→1時間→ヌカザス山→10分→オツネの泣き坂→20分→入小沢ノ峰→20分→鶴峠分岐→30分→御堂峠→5分→三頭山中央峰→2分→東峰→45分→鞘口峠→10分→都民の森バス停
(歩行時間/約4時間30分)
登山道グレード/★★★ 体力グレード/★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

浮橋を渡り奥多摩湖を横切る

ヌカザス登山口

 三頭山は、島しょを除くと東京都唯一の村・檜原村の最奥にあり、かつては秘境といわれた。奥多摩周遊道路や檜原都民の森が1990(平成2)年に完成したことにより、だれでも手軽に訪れることができる山として様変わりした。奥多摩湖の浮橋(旧ドラム缶橋)を渡り、ヌカザス尾根から標高差約1,000mの急登に挑む。

イヨ山

 小河内神社バス停前の階段を下り、奥多摩湖に掛けられた麦山浮橋を渡る。渇水時に外されることがあり、また強風時には通行止めになることがあるので要注意。渡り終えたら湖岸を左へ「山のふるさと村」方向に進み、次の分岐で奥多摩周遊道路に出て右に10分ほど歩くと登山口がある。
 最初からいきなりの急登だ。倒木を避けたりしながらじっくりと、暗く荒れた山道をひたすら登り標高を稼ぐ。緩やかになったところで左手に手入れされた植林地であることを示す看板が立っている。周りが明るくなって、コアジサイ、コウヤボウキなどの低木やアカマツが日立つようになり、5月頃はハンショウヅルやギンランなども見られる。前方に三頭山、右手には大寺山の白い仏舎利塔が見える。最後のヤセ尾根を登るとイヨ山だ。手書きの山名板と三等三角点がある。木が育ち過ぎて展望はないが、静かで雰囲気はよい。

尾根の「難所」・オツネの泣き坂

ムロクボ尾根分岐

 イヨ山からすぐに下りとなりアップダウンを繰り返す。右にムロクボ尾根が登ってくるのが見える。木の根や岩が露出したヤセ尾根になり、急登を3回ほど繰り返す。途中、ロープが付けられた箇所もある。最後は右から巻いてヌカザス山に着く。イヨ山と同じ手製の山名板が木に取り付けられている。ブナ、ミズナラなどの広葉樹が美しくツガも多い。春には木々の芽吹きや新緑、秋には紅葉が素晴らしい。落葉すれば山々の展望も得られる。東側が切れ落ちているので注意してほしい。
 ヌカザス山から右に方向を変え50mほど下ったところでムロクボ尾根が合流する。アセビの林を抜けるとツネ泣き峠に出て、滑りやすい急坂になる。「オツネの泣き坂」とよばれる「難所」だ。

ヌカザス山

連続してロープが張られた急坂をしばらく登ると自然林に囲まれた入小沢ノ峰に到着する。広場になっているので休憩によい。ここから三頭山まで東京都と山梨県の境を歩いて行く。作業道を右に分けるが、道標がしっかり付けられているので迷うことはない。この辺からはゆったりとした広く緩やかな登山道になる。心地よい原生林の中にたたずむと、ここが東京都であることを忘れてしまう。動植物の宝庫で特別保護地区に指定されている。秩父多摩甲斐国立公園の中で、奥多摩では三頭山と雲取山だけだ。
 鶴峠への分岐を右に分けて大岩の間を抜ける。丸太の階段を登って行くと、左の道とまっすぐ尾根を直登する踏み跡が分かれている。地図上は左に進み御堂峠に至るのが正規のルートだが、道幅が狭く、荒れて滑りやすい危険な箇所もある。展望のよい西蜂へ直接登れる尾根道の方が歩きやすく、こちらの方が多く利用されているようだ。

御堂峠からは都民の森のエリア

 御堂峠から左に進み原生林に囲まれた三頭山最高地点(中央峰/1531m)に立つと気持ちがよい。先に進むと三等三角点(1527.6m)があり、そばに東峰の標柱が立っている。もう少し行くと大岳山や御前山の展望が開ける展望台がある。鞘口峠に下りる御堂峠から東峰を巻いてきた道と合流し「ブナの路」を下って行く。春から夏はコマドリやオオルリ、ルリビタキなどが賑やかだ。登山道は岩や木の根が出た急坂で滑りやすい。帰りのバスの時間に余裕を持って、自然の森を楽しみながらゆっくりと下りて行こう。
 鞘口峠までくればあとひと息。木工館や森林館を見送り、トンネルをくぐると都民の森入口に着く。数馬行きの連絡バス、武蔵五日市行きの急行バスが出ている。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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