令和6年度年次晩餐会記念講演会はエクアドル大使によるエクアドルの紹介から始まった。魅力たっぷりな国と知り、訪れたい国になった。最初の講演は、グレートヒマラヤトラバース報告で、6回目となる今回はインドヒマラヤの踏査であった。重廣隊長から踏査の成果、ヒンズー教の三大聖地巡り、ダラムサラ訪問の様子が語られた。飯田隊員から装備品の紹介があり興味深かった。カンヤツェⅡ峰を断念せざるを得なかった中村隊員の無念な思いが切々と語られ胸に迫った。
続いて酒井治孝氏による秩父宮記念山岳受賞記念講演「私のヒマラヤ山脈形成史の研究」が報告された。ネパールの大学で地質学科の講師を務めた事もきっかけとなり、ヒマラヤ山脈がどのように形成されたのかを解明する地球科学の研究を志し、40年以上に渡ってヒマラヤの研究を継続してきた内容が語られた。(中原)
後半は記念講演の信州大学名誉教授・中村浩志先生の「甦った神の鳥・雷鳥」の講演が行われた。絶滅危惧種の雷鳥の繁殖にも取り組み実際に成果を上げているのは素晴らしい事と思われた。最後の特別講演では菊池氏による写真撮影時の構図についてわかりやすい説明があった。司会の萩原浩司氏との掛け合いもあり楽しい話を聞くことができ、講演時間の過ぎるのが早く感じられた。
最後に満場の拍手の中、天皇陛下がご退席されて、充実した講演会が終了した。(太田)