安全対策委員会は、3月2日に奥多摩消防署内にて上級救命講習を企画実施した。講師は、東京防災救急協会の藤本氏と岡部氏。受講者は10名(井上、乙川、小嶋、榊原、土橋、中村(敦)、前田、松尾、宮永、村岡)。午前9時半講義開始、午後3時半終了(昼休憩30分を含む)。

AEDの使用法

心肺蘇生 胸骨圧迫
午前中は、傷病者に対する心肺蘇生法について学んだ。応急手当の目的は救命と悪化防止。救急車を待っている間にも救命の可能性はどんどん下がっていく。心肺蘇生を施さなかった場合、経過8分の時点での救命率は半分となる。いざという時のために対処法を知っておくことが大事であるとわかった。また、心肺停止の傷病者に対してできるだけ早くAEDを用いることで生存率や社会復帰率に大きな違いが出ることも確認されている。午前の最後に、傷病者発見→心肺蘇生→AED使用の一連の対応の実技テストを行った。

毛布を使用した傷病者の搬送法
午後は、異物除去の仕方や怪我による止血法、外傷、熱傷の手当については三角巾を用いて実習した。どの場合も時間の管理が大事であり、記録しておくと良いことがわかった。その他傷病者の体位管理や搬送法を体験した。
駆け足での講義の後、簡単な設問テストを実施。8割以上で合格ということで、受講者全員が合格した。「Live119」というスマートフォンから消防指令室へ映像を共有するシステムがあり、救急車を呼ぶ際に是非利用してほしいとのことであった。最後に奥多摩消防署の松村隊長から「傍観者にならずに一歩を踏み出してほしい」と締め括られた。
応急手当ての知識は日常生活でも必要であるが、救急隊の到着までに時間のかかる山の中では不可欠とも言える知識である。緊急事態に遭遇した時に適切な応急手当てができるよう、日頃から知識と技術を身につけておくことが肝要である。今後も同様の講習を企画するので、多くの会員に参加していただきたい。(文・写真/村岡)