日 時
2025年3月30日(日) 【天候】晴れ
参 加 者
多摩マウンテンジャム6名 L稲富、SL小澤拓、西村章、富永、西山、中島
行 程
集合9:04小田急・秦野駅・バス9:04=9:20蓑毛BS~9:25大日堂~9:30大山裏参道分岐~9:50春嶽湧水・登山道(ヒル下がりジョニー)~10:15髭層の滝10:40(沢登り登攀開始)~11:20二股(556m)~11:40インゼル?(633m)~12:26二股下(725m)~12:45昼食(736m)13:20~14:00フェンスゲート~14:15大山裏参道・西の峠(830m)~15:28大山裏参道分岐~蓑毛BS15:33=15:55秦野駅16:03=16:09鶴巻温泉駅(解散・帰宅組と「弘法の湯」温泉&反省会組)
報 告
多摩マウンテンジャム(以下TM J)今年初の沢登り。3月に沢登り?沢登り玄人Iさんの計画が発表されてから???(失礼ながら?)しかも前日は、数日続いた夏日の後の「寒の戻り」「花冷え」の雨天。関東でも山頂は薄っすらと化粧。沢登りは楽しくて大好きなのですが、3月の沢はお初だし、今なら丹沢山系にヒルがいないといっても水が冷たく寒いんじゃーないのかなぁー。水が冷たく寒いからヒルがいないのでは。とか、ネガティブモード。それに集合場所は駅。苦手な電車集合。
それでも、ツメは冷え切った身体を温泉で暖めてビール?より熱燗かな。を想定し、今回は集合時間に間近い電車より一本前に着く電車に乗るように余裕をもって家を出る。
いつものように橋本駅からJR横浜線。町田駅で乗り換え、往復割引の利く〔小田急線〕+〔神奈中バス〕セットの「丹沢・大山フリーパス」を小田急町田駅で購入し今回も利用しようと数分・・・。町田駅に向かわなければいけないのに八王子方面に向かっている。やばっ。
いつもの支部山行の調子で立川、奥多摩方面に向かう際の電車。八王子駅に着いてしまった。やっちまった。急いでTMJのグループLINE。「余裕もって早めの電車に乗りましが上下逆の電車。バスの出発には間に合うと思います。」のようなメッセージを入れる。
急に気持ちに余裕がなくなり、焦りからなのか色々考えてしまう。自宅に戻り自動車で蓑毛BSまで行こうかとか、駐車場があった気がするとか考え、さっきまであった余裕が逆に無くなってしまった。やはり電車バスは苦手です。
そんなところにNJさんのグループLINEが入る。「鶴巻温泉駅です。桜がきれい。」のメッセージ。うわぁーどこかで電車同士がすれ違ってる。と思いつつもやっと橋本。振り出しに戻った。
もうすぐ集合場所の秦野駅。手前の鶴巻温泉駅に到着するころ、乗車バス停の行列の写メが届く。ハイシーズンの行列は無くホッとしたところに、TさんからのLINE。「間も無く秦野に着きます。トイレに寄ってから・・・。」何???自分も間も無く秦野。同じ電車なの?焦っていた自分はなんであったのか。バスに間に合えばよかったの?…でした。(Tさん集合時間は守らないとですよね。)秦野駅でキョロっているTさんの後ろ姿発見。「おはようございます」にびっくり、そしてニコニコ笑顔のTさんにトイレの場所を指差し案内して、バス停に急ぐ。集合時間前に到着されているメンバーに頭を下げ列に並ぶ。バスはすし詰め。増便出そうかどうしようかのやり取りが運転手と乗車誘導スタッフとであったが、ほどなく出発。
蓑毛BSに到着。BSから数メートル戻る方向に登山口「大日堂」が。歩き始める前に各自衣服調整と大日堂拝観(拝観というほどでもないが)。脇の掲示に「木食光西上人入寂の地」とあり何?木喰さん?
仏像好きの私には、「円空、木喰」は大好物なのであります。隣に石碑を囲ったほったて小屋。片隅にはなんと円空さんの不動明王らしきものが。(多分なんちゃっての円空仏)大変そそられましたが先を急ぎます。(NJさんは円空仏を「スーパーサイヤ人」みたいだ、とのことでした。素晴らしき感性。)
しばらく進むと千元院。そこでは老犬と作業服の方々が迎えてくれる。「二、三日前、暖かい日が続いたのでヒルが出てきたよ。」とおっしゃる。続いて「本宿」。大山参りの際の宿の跡地。跡地にはミツマタが植樹されている。登山道の両側に所どころミツマタが眼を喜ばせてくれる。将来、厚木市の不動尻のようなミツマタの群生地になりそうな気配。人けの少ない今のうちに目にすることが出来て良かった。
秦野市の水は名水百選に選定されている。春嶽堰堤の下に「春嶽湧水」があり喉を潤す。これがとにかく柔らかく美味しい水だった。舗装された道はここまで。ここから先はあの恐ろしい山ヒルが出そうな山道。I氏から「ヒル下がりジョニー」と塩水スプレーのふるまいがあった。さっそくヒルにちなんだギャグ、ダジャレが連発。皆が笑い転げ、涙が出るほど久しぶりに大笑い。
「塩水スプレーあれば白飯握り持ってきて、食べる前に吹きかければおにぎりに。これぞおヒルごはん」いやいや「ヒルめし」。みたいな・・・By NYさん。
斜面にミツマタ、ギブシの花々がエントランスのようだ。導かれるかのようにトラバースしていくと「髭僧の滝」のお出迎え。I氏はロープ設置に巻いて滝上に。その間に我々は沢衣装に変身。今回は沢水がまだ冷たい季節なので、レインウェアで身を包む。「髭僧の滝」の右側(左岸)にロープが降ろされる。滑落時のサポートにプルージックを準備。カラビナ介しナハーネスと繋げ、プルージックを引き上げながら滝上に。滝上では先ずセルフビレイを。両手が空くとついロープからカラビナ外し、次の方へ登って良しの連絡をしてしまいがちであるが、自身の安全確保が第一であることを改めて学ぶ。
次々とTMJのツワモノ達が上がってくる。ここから先は、2m~4mクラスの滝が何段も現れる。その都度ロープはもう用意しない。個人の力量で水の中を進むもよし。沢を巻いて水を避けて進むもよし。自分の前を行くメンバーに倣い進むもよし。別ルートを探し進むもよし。安全対策は自己責任の沢登りの始まり始まりである。
沢はこれが面白い。踏み跡を辿る登山と違い、どこを進もうと自由。難しいルート、易しいルート、各自が自分の最良ルート若しくはチャレンジルートを見つけクリアしていく。実に面白い。クライミングジムでのトレーニングが試されているようだ。
先頭で滝の中を進むルートを選ぶと、お手本見ていないため、水の中の見えない手掛かり足掛かりを探すのに手間取る。滝の中にステップらしきものが見つからない様子だ。中途半端なステップのままで、手掛かりが中々見つからないと反対側の手の握力が落ちてきてヤバイことになりそう。安定したステップを探し、ゆっくりでも確実に登る選択肢を準備していないと落ちそうになる。
違う登り方を試してみた。狭い滝の上から続くクラックに沢靴のつま先を突っ込み、滑らないことを確認。そこを足掛かりに足場のステップ無しで身体を持ち上げる。など自分なりの登り方ができクリア。またまた面白い攀じ登りを発見。
途中680m地点から上流を見上げる。右に左に次々と落ちてくる連続した滝・滝・滝。先の先までの滝を見通すことが出来た。まだまだ楽しめるアトラクションが待っている。ワクワクだ。すると、滝の流れがスプリングのおもちゃが階段の段差を上下を交互に落としながら、右に左に弧を描き落ちてくるそんな形にも見えた。
725m付近ここまで約3時間半。沢がまた二股になっている。楽しくなってしまったのか、まだまだ先へとグイグイ進む女子たちにリーダーから、「ここの二股で沢登りは終了」と発せられた。次の滝を見るとつい向かってしまうのだろう。もう「沢」にハマったかな?
今日の沢登りにネガティブであった自分もいつの間にか楽しんでしまっていた。今朝出会った円空仏の御利益かも「円空さん木食上人さん、ありがとう。」でした。
(帰宅してから調べたら「木食」と「木喰」は相違していることを知りました。木喰さんスミマセン。)
昼食を済ませ(昼食でもまたヒルネタで盛り上がり)ハーネス、ヘルメット外し身軽になり下山する登山道へ向かうツメに入る。そー言えば、下山道はどこに?向かうのだろ?でした。
登りことしか頭になく、配布された遡行図があり水に入らず巻いて登れる沢と伺っていたため、ザックリとした地図読みしかしていなかった。遡行図には等高線があったがきちんとした地図の読み込みをしていない今回の沢登り。現地で何とかなるであろうであった。
枯れ沢から外れると柔らかく崩れやすい斜面をトラバースして尾根を巻いて行く。リーダー先頭に進むと岩や石がゴロゴロの深い枯れ沢が現れる。行く手を阻まれたのでリーダーがロープを取り出し、我々も再びハーネスを取り出し装着。狭いトレース場所でのハーネス装着していた時、あっザックが枯沢にコロリンと。NMさんの色鮮やかなザックがスローモーションで下へ下へと・・・・。眼下に捉えることが出来ました。またもやハプニング。リーダーがロープを出そう言っているところをNJさんはここから下りられそう、と安全に樹木を掴みながら枯沢に下りてしまう(さすが)。NMさんザックを「獲ったどぉー」とは言いませんがそんな感じに見えました。
全員が枯沢に下りた後、さぁどこへ向かおう?・・・?踏み跡らしき形跡やテープ・リボンは見当たらない。(あとでの話だが、リーダーの頭の中には「シカ柵のフェンスゲートがあるはず」があったようであるが見当たらず。)
枯沢を少し遡った堰堤脇から這い上がりトレースに戻り、更に上流へ数メートル登ると沢を渡るトラロープが張ってある。ここではないかなと近づくとピンクやらブルーやらのテープ・リボンが。皆に声をかけ上がってきてもらう。(その間周りを見回ると巻いて隣の沢へ続く。昼食した場所の東の沢を少し登ると対岸にテープや行き止まりロープがあったようだ。)
堰堤上流のトラロープからは、リーダーの頭にあったツメのルート。フェンスゲートを経て、崩れやすくクネクネの斜面をトラバーーーース。多少「らーく」、石も落としつつ大山裏参道に出る。ここからはNYさんが先頭。サクサクステップ踏むような足取りでドンドン下りていく。途中「女人禁制」の石碑もあり「大山参り」でもかと歴史を感じた。
沢登りのツメあとは、いつもこんなに登ったの?と感じながら下っていく。沢登りの最中は一段一段滝を攻略するのが楽しく、ぐんぐん攀じ登っている。登山しているというよりは、フィールドアスレチック?もしくはアトラクション?感覚であるかなぁ。
そんな感覚に耽って下山口に近づいてくると、次のバスに乗れそうだよと誰?最後の最後に下り坂をさらにスピードアップ。バスの出発に間に合うか間に合わないかでギリギリのペース。「うわぁーーっと」下り坂をバタバタと下る。まるでアニメの世界みたい。何とか全員間に合いバスに乗車、秦野駅へ。
帰路に向かう方々、鶴巻温泉の「弘法の湯」でひとっ風呂と反省会する方々それぞれ。
「弘法の湯」は下山後のひとっ風呂で大混雑。ここでもIリーダーの手腕発揮。風呂前に2階の休憩所に先に荷物置いておく。意外と2階は空いており風呂後も快適に過ごせました。TMJ吞ん兵衛の猛者?の始まり始まり。色々な反省が出来たのでしょうか?よく覚えていませんが楽しかったのは間違えないです。
(文責 小澤拓)