40.八王子城跡から北高尾山稜、夕やけ小やけの里

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★★★ コース NO.40

八王子城跡から北高尾山稜、夕やけ小やけの里

/城跡から息をつかせぬアップダウンの山々/
1. 八王子城山446m
2. 杉沢の頭547.6m
3. 黒ドッケ621m

JR高尾駅→西東京バス10分→八王子城跡バス停→45分→八王子城山→50分→富士見台→10分→杉沢の頭→15分→高ドッケ→25分→板当山→10分→板当峠→10分→狐塚峠→30分→杉の丸→10分→黒ドッケ→1時間20分→夕焼小焼バス停→西東京バス30分→JR高尾駅 (歩行時間/4時間45分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

見どころ多い八王子城跡

ガイダンス施設

 北高尾山稜は、高尾山の北側にあって八王子城跡から奥高尾主脈の堂所山まで続いている。年間300万人が訪れ、いつも賑っている高尾山と尾根ひとつ違うだけで登山者は少なく、静かな山歩きが楽しめる。スタートは八王子城跡。コースはアップダウンが多いうえに比較的長く、歩き応えがある。
 JR高尾駅北口からバスで5分ほどの「霊園前・八王子城跡入口」バス停で降り、西に20分ほど歩けば八王子城跡の入口に着く。土日・休日には「八王子城跡」行きの直通バスが出ている。
 バス停の隣には「八王子城跡ガイダンス施設」があり、八王子城の歴史や城主北条氏照の人物像などを、遺物やパネルで紹介している。城跡の入口までは、車道を歩く方法とガイダンス施設の敷地内を歩く方法がある。どちらの道を歩いても5分ほどで管理棟に着く。

管理棟

ここには八王子城跡のパンフレットなどが置いてあり、トイレもある。城主の北条氏照が居住していた御主殿などの遺構は、管理棟前から城山川に沿って10分ほど歩いたところにある。
 八王子城跡へは管理棟横の道を進んで鳥居をくぐる。登山道はすぐに新道と旧道に分かれるが、新道のほうが手入れがいい。四季それぞれの草花を楽しむことができる。緩い登りが一段落するあたりに金子丸があり、ここを過ぎるあたりから山道らしくなる。松竹方面への分岐でもある柵門跡を過ぎ、ひと登りで松木曲輪(くるわ)広場に着く。ここにはテーブル、ベンチがあり、南東方向に展望が開けている。トイレもあるので休憩には最適だ。八王子神社の脇から回り込んで登ると本丸跡の八王子城山の山頂で、深沢山とも呼ばれる。

八王子城は日本100名城のひとつ

八王子城山

 八王子城は小田原を本拠とした北条氏最大の支城だった。氏康の三男・氏照が築城。1590年、豊臣勢に攻められたとき、氏照らは小田原に援軍として駆け付けており、城代の横地監物吉信(景信とも名乗った)が立てこもったが檜原城へ逃げ延び、城はわずか1日で落城した。
 公益財団法人日本城郭協会が2006年に城郭愛好家からの推薦、専門家による選定会議を経て選定した「日本100名城」に東京都からは江戸城とともに選ばれている。
 松木曲輪から富士見台へ向かうと、すぐに坎井(かんせい)の井戸が現れる。今でも豊富な水が出るが飲用は控えよう。ここから縦走路は下ってUターンして左へ折れる。直進する明瞭な踏み跡は行き止まりとなる。立派な標識があるのだが、城跡から来ると見落としやすい。「史跡八王子城駒冷場」を過ぎ、やせ尾根を20分ほど登ると「史跡八王子城天守閣跡」の石柱がある小ピークに着く。さらに大堀切跡や石積みの遺構などが続く。かつての繁栄を偲びながら八王子城跡をあとにする。

数え切れないアップダウンも「魅力」

富士見台

 やせ尾根をたどり、鞍部をふたつ越え、ひと登りすると裏高尾町からの登山道との合流点、富士見台(558m)に着く。富士山の方向に視界が開け、テーブルとベンチが置かれている。「堂所山、明王峠、陣馬山」の標識に従って西へ進む。
 このあたりから頭が赤く塗られた石標が目に付いてくる。かつての御料地の境界を示す宮標石だ。やや急な道を下って登り返すと平坦な杉沢の頭に着く。三等三角点の山頂だ。息つく間もなく60mほど急坂を下ってさらに同じくらい登り返すと高ドッケ(560m)だ。山頂手前のヤブを右へかき分けて行くと滝ノ沢ノ頭(540m)に至る。距離はそれほどでもないが、山慣れた人にだけお勧めしたい。
 緩やかになった尾根筋にほっとしながら板当山(いたあてやま/562m)を越えると、下りが始まる。展望はないが自然林に囲まれているので新緑の春や紅葉の秋はとくに気持ちがいい。下りが緩くなると、ひょっこりと林道に出る。板当峠だ。道標に従って左の山道に入って緩やかに登ると狐塚峠。小下沢(こげざわ)林道への道が下っている。いくつものアップダウンをこなしてきた体には、ここでの大休止が心地よいはずだ。

狐塚峠

 狐塚峠の先で尾根筋はいったん北へ向かって登る。この南向きの斜面は明るくて気持ちがいい。登り着いた小ピークに名前が付いていないのがもったいないような気もする。さらにふたつの小ピークを越え、40mの急登にあえぐと杉の丸(612m)の山頂標識が見えてくる。小広い山頂だ。杉の丸からは西に下り、またまた40mの急坂を登り返すとようやく黒ドッケで、立派な標識が立っている。ここで堂所山へと続く縦走路から分かれて北へ下り、夕やけ小やけの里へと向かう。きれいに手入れされた気持ちのよいスギ林を下って行くと、立派なサクラの木が出迎えてくれる。近くにベンチもあり、ひと休みには最適なロケーションだ。さらに下ると「夕やけ小やけふれあいの里」への道標が現れ、道が二手に分かれるが、どちらを歩いても下で合流する。下りきって、「星ふる広場」に出たら橋を渡って左に行くと管理事務所や農産物直売所などがあり、その先に夕焼小焼バス停がある。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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