34.軍刀利神社から三国峠を越え万六尾根、柏木野

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★★★ コース NO.34

軍刀利神社から三国峠を越え万六尾根、柏木野

/日本武尊ゆかりの茅丸を越え、万六ノ頭へ/
1. 茅丸 1,019m  
2. 連行峰 1,013m
3. 万六ノ頭 883m

JR上野原駅→神奈川中央バス20分→井戸バス停→30分→軍刀利神社→1時間→三国山→10分→生藤山→15分→茅丸→15分→連行峰→20分→湯場ノ頭→40分→万六ノ頭→1時間→柏木野バス停→西東京バス40分→JR武蔵五日市駅 (歩行時間/約4時間10分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

軍刀利神社を経て三国峠へ

軍刀利神社拝殿

 甲斐・上野原から相模の最北端を通り、武蔵・檜原村へと抜ける道がある。『ふじ乃町の古道』によれば、この道はその昔、薪炭・木材・茅草などの山林生産物の生産・搬出のために使われた生活の道であり、また御嶽講が武蔵御嶽神社へ向かうために歩いた信仰の道でもあった。JR上野原駅からバスで20分ほどの井戸バス停から軍刀利(ぐんだり)神社を経て三国峠(960m)へ。三差路をサクラ並木で有名な尾根へと通じるルートを進む。400mほどで尾根の上でサクラが出迎えてくれる。分岐を左折し、スギとミズナラの中にサクラが点在する尾根をしばらく行くと、三国峠頂上と巻道の分岐に出る。ここからは10mほどで三国峠頂上だ。東に進路をとり、生藤山(990.3m)へ向かう。東斜面は、表土が削られ岩がむき出しになっているため少々注意が必要だ。このあたりが神奈川県の最北端。急坂を下り終えたところで北側を巻く道と合流する。

茅丸の頂上は20坪ほどの狭い広場

茅丸

 合流点から尾根を300mほど進むと、分岐に差し掛かる。急な傾斜に付けられた木段を上がって行くと、わずか20坪ほどのピークが現れる。茅丸の頂上だ。『新編相模国風土記稿』によると、日本武尊が東征の折、大麻を奉納し朝敵退治の祈願をしたという言い伝えのある山だ。小休止して二千年前の武尊の軍勢に思いを馳せる。東側の急な木段を下ると、南側を巻く道と合流する。しばらく平坦な道となり、少し開けた台地を抜けると長い木段が見えてくる。なだらかな斜面に付けられた木段の先に小さなコルがあり、それを抜けた先に連行峰がある。

連行峰

 「登山道の脇にベンチが置かれた休憩所」といった雰囲気の連行峰でひと息ついたら、笹尾根に別れを告げ、万六尾根を北上する。昭文社地図には、この万六尾根に「三国峠みち」との説明が添えられている。
 その昔、武蔵・相模・甲斐の人達が多く行き交ったのだろ

湯場ノ頭

う。現在は登山客はさほど多くないためか、踏み跡が多少不明瞭な箇所など、注意が必要なところがある。
 落ち葉や雪の季節は注意したい。しかし、そこはかつての往来道。ルートの大半は明瞭で、高低差の少ない尾根歩きが続く。背丈ほどの笹の中を進むと、やがてスギの植林帯が見えてくる。細い登山道をトラバースしながら徐々に高度を下げて行く。コルを越えて台地状になったところが湯場ノ頭(ゆばのあたま/ 927m)である。湯場ノ頭の先は尾根が分岐している。「作業道通行止」の標識がある北北東の尾根には入らず、北北西に延びる尾根を緩やかに下る。この先はしばらくなだらかな尾根道が続く

自然林の万六ノ頭から柏木野へ

万六ノ頭

 尾根の名ともなっている万六ノ頭は国土地理院の1/25000地形図では登山道が山頂を経由しているが、実際は大きく巻いており、道標の脇から薄い踏み跡をたどりピストンすることになる。迷いやすいわけではないが、ピークを目指す場合は、地図とコンパスをしっかり確認しながら進みたい。万六ノ頭は意外と大きな山だ。頂上付近はゆったりと平坦で、コナラやミズナラが多く新緑や紅葉の時期には尾根歩きの疲れを忘れさせてくれる。山慣れた人ならそのまま山頂を越え、踏み跡をたどって巻道に出てもいい。  登山道に戻り、万六ノ頭の中腹を巻き、よく手入れされた美しいスギ木立を進む。コナラ、ミズナラ林とスギ林のパッチワークが目に飛び込んでくると、これを合図に登山道は傾斜を増す。二度三度折り返すと、スギの大木が尾根の突端で出迎えてくれる。樹齢数百年はあろうかというその木の根元には小さな祠がある。手を合わせ山行のお礼を述べたら、尾根と分かれ柏木野を目指す。斜面に幾重にも折り重なる登山道を伝い、谷に下りて行く。途中、アジサイが広がる台地があるが、バスは1時間に1本程度しかないため、道草を食って時間調整を間違えないようにしたい。台地の先の急坂を下り、南秋川に掛かる小さな橋を渡れば、もう目の前が柏木野バス停だ。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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