44.愛宕山から長淵丘陵を赤ぼっこ、天狗岩

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★★ コース NO.44

愛宕山から長淵丘陵を赤ぼっこ、天狗岩

/青梅市と日の出町の境界をなす展望の丘陵/
1. 赤ぼっこ   409.6m

JR宮ノ平駅→15分→和田橋→10分→稲荷神社→50分→梅ヶ谷峠分岐→(愛宕山往復30分)→10分→要害山→40分→天狗岩→10分→赤ぼっこ→20分→馬引沢峠→20分→旧二ッ塚峠→50分→天祖神社→40分→JR青梅駅 (歩行時間/約5時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★

素晴らしい眺望を楽しむ天狗岩と赤ぼっこ

 多摩川の流れが青梅市街に差し掛かる南側、青梅市と日の出町の境界に円弧状に連なる丘陵は、長淵丘陵ともいわれる。JR青梅線の青梅駅、その先の宮ノ平駅または日向和田駅からアプローチできるが、ここでは宮ノ平駅を起点とする。小さな駅舎の階段を降りるとすぐ前に青梅街道がある。右の線路沿いにある小さな公園から出発しよう。

 宮ノ平橋を渡って道なりに行くと、すぐ保育園が見える。その50mほど手前を左に入ると和田乃神社がある。坂を下って行くと左に明白(めいばく)院があり、青梅街道を横切ると和田橋に出る。カーブした坂を上がり、広い吉野街道に出て和田町二丁目の信号を渡り、右へ進むと稲荷神社がある。その先、梅ヶ谷峠入口の信号を左折し、すぐ左上に分かれる道がコース入口となる。
 苔むす石垣や土蔵と竹林に挟まれた坂道を上って行くと、開けた場所に出て並木入林道となる。3棟ほどの民家があり、舗装道も終わって細い登山道となる。和田橋から1.8kmの地点が丁字路になっていて、左は天狗岩方面、右は愛宕山(394m)への分岐点だ。

愛宕山、天狗岩、赤ぼっこは展望3ピーク

愛宕山

 愛宕山へは往復30分ほどで、道はスギやヒノキの木立の中に続いている。山頂には苔むしたサクラの古木があり、樹木の葉が落ちる冬季は北側の眺望がよい。柚木、梅郷など多摩川沿いの市街、アーチ型の橋、奥多摩・青梅丘陵などが望める。

要害山

 分岐に戻って天狗岩方面へ向かうと、途中わずかに露岩の急坂もあり、間もなく要害山(ようがいさ

ん/414m)に着く。これといった特徴もなく、山名表示も読み取りにくいので、知らずに通り過ぎかねない。急な階段を下りきると、右側は

394.4mの四等三角点

伐採地が広がり、林道も見える。アップダウンを越えると天狗岩への分岐がある。天狗岩までは往復15分ほどで、階段を2カ所下り、急登すると露岩帯となり、その先に「天狗岩」と書かれた標柱が立っている。

 この先、ピークをひとつ越えると、すぐにもうひとつのピークがあり、通常は右側を巻くが、細い踏み跡をたどると山頂に四等三角点(394.4m)を見出す。

天狗岩

 一段下がった岩のテラスが展望よく、西から北にかけて大岳山、日の出山、本仁田山、川苔山、高水三山、青梅丘陵などの山々、梅郷、和田など多摩川沿いの市街や橋が一望の下である。分岐に戻ってわずかに歩を進めれば、また分岐があって赤ぼっこが目と鼻の先である。解説板があり「関東大震災で表土が崩れ落ち、赤土がむき出しになったので土地の人たちが、そう言うようになった」という。1本のヒノキが立っており、三等三角点が置かれ、ベンチが2基ある。北から東にかけて奥多摩や武蔵野一帯の雄大な眺望が得られ、直下には晩秋は紅葉、初夏は新緑が彩を添えてくれるだろう。

 

悲しい母娘伝説の残る峠を訪ねる

馬引沢峠

 展望を堪能したら分岐点へ戻り、先へ進む。道が分かれるところには、たいてい道標があるので、確認してから進もう。日の出町分岐のところで広域廃棄物処分場のフェンスが現れる。直進すると日の出町への道であり、左に鋭角に折れてフェンスを右にするようになる。やがて左に小さな馬頭観音を目にしたら、そこから馬引沢峠(まひきざわとうげ)まではわずかである。峠には苔むした石垣の残る広場があって馬引沢林道が分かれ、フェンスには処理場の説明や写真が掲示されている。

旧二ッ塚

 かつて、日の出町玉の内へ続く道は鎌倉街道だったが、今はフェンスに立ちふさがれて廃道化し、道標だけが空しくその方向を示している。峠から200mも行くと、畑中・駒木野への道が分かれるが、コースは右に鋭角に折れる。高度を徐々に下げて行くと道は二分し、右はフェンスに沿って小山を越えるもの、左はその左側を巻いていくものであり、その先で合流する。このあたりまで来ると樹木も多種見られるようになり、コナラ、ヤマザクラ、シラカシ、アカシデなどや、思わぬモミの大木に驚かされることもある。
 馬引沢峠から約800mで旧二ッ塚峠に着く。悲しい母娘の伝説を秘めたふたつの塚があり、一方にはサクラの木が立っている。

天祖神社

この先、長淵8丁目への分岐があり、コースの行き先が二分する。道標の指示はないが、左は小山を越えるもの、右はカヤトのへりを行くものだが、先で合流する。フェンスから解放され小高い丘を越えると、すぐ下に公園墓地が見え、一旦仮設トイレのある車道へ下る。車道の10mほど左に登山道が続いており、すぐ上にキノコ型の東屋がある。この先、すぐに道は二分するが、左折する方が正しい。これまでとは異なる「長淵山ハイキングコース」の道標を目にするようになる。ヒノキ林の中を行くと、短い階段があり、わずかな登りも疲れた脚にはきつく感じるだろう。頂に東屋があり、そこから階段を下って間もなく天祖神社の左側に出る。社殿に参拝して最後の休憩をとろう。西斜面はカタクリ群生地で立ち入り禁止になっている。階段を下って鳥居をくぐれば秋川街道だ。余裕があれば釜の淵公園に寄ることもできる。吉野街道を横断し、調布橋で多摩川を渡ってレトロな旧青梅街道へ出れば、JR青梅駅はもう近い。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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