11.奥多摩駅から大休場尾根、本仁田山

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★★★ コース NO.11

奥多摩駅から大休場尾根、本仁田山

/奥多摩駅の背後に迫る大きな山容/
1.本仁田山   1,224.5m

JR奥多摩駅→50分→安寺沢集落登山口→50分→大休場→50分→本仁田山→1時間→大根ノ山ノ神→30分→JR鳩ノ巣駅
(歩行時間/約4時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

奥多摩駅から登れる

 本仁田山は、奥多摩駅の北側にどっしりとした円錐形の立派な山容を見せている。けっして低山ではない。別称は本荷駄山、愛称は奥多摩富士。山名の由来はイノシシが泥浴びするヌタ場からきたというのが有力だ。アプローチは、南側からの大休場(おおやすんば)尾根と東側から瘤高山(こぶたかやま/1,115m)を経た杉ノ殿(すぎのと)尾根がある。西側に平石山を経る平石尾根があるが、地形図にはルートの表示がない。南には花折戸(はなおりと)尾根、ゴンザス尾根があるが、急な部分もあるので注意が必要だ。

奥多摩三大急登のひとつに挑戦

安寺沢登山口

 大休場尾根は、鷹ノ巣山の稲村尾根、三頭山のヌカザス尾根、または水根からトオノクボへの急登と並ぶ奥多摩三大急登のひとつといわれている。安寺沢(あでらさわ)集落から山頂まで一気に約800mの標高差がある。下山は東側の杉ノ殿尾根から鳩ノ巣駅に向かう。コースを逆にすることもよいが、朝の元気なうちに急登に挑むことを目標としよう。
 奥多摩町役場の前を通り、石灰石工場を右に見て、日原川にかかる北氷川橋を渡る。氷川国際マス釣り場が右手にある。ワサビ田が見え隠れして植林が切れると安寺沢集落に入る。林道が大きく左に曲がる最初の家の角に道標がある。モノレールに沿った手すりの左側を入って、住宅の裏を右に曲がると自然に登山道となる。

大休場ノ頭分岐

 ほどなく乳房観音への分岐が出てくる。分岐からすぐなので、安全祈願しておこう。先代のイチョウの大木から巨大な気根が何本も垂れ下がり、乳房のようだったことから乳の出がよくなると、お参りされた。後継のイチョウ2本もかなり大きくなり、気根が垂れ始めている。分岐に戻ってから登り始める。
 道はやがてスギの植林地に入り、山頂までの厳しい登りが始まる。ジグザグを続けて行くと、明るい自然林となり、三ノ木戸山(さぬきどやま)や六ッ石山など石尾根東端の山々が望める。高度を上げて行くと稜線に達する。傾斜が緩んだ登路途中の大休止のポイントだ。地名・大休場の由来でもあるが、残念ながら眺望は望めない。道迷い防止のためかロープが張られ、行き止まりの標識が立っているが、その奥5分のところに大休場ノ頭(817m)がある。

大休場尾根を山頂へ50分

殿上山付近

 大休場から山頂へは左に登る。山頂への勾配は、しばらく緩くほっとするが、やがてきつくなり木の根や岩角につかまる急登になる。これを三度繰り返す。標高差約400mをほぼ直登する大休場尾根の正念場だ。トラロープが張られている箇所があるが、危険箇所を示す境界用なので当てにしないこと。
 広葉樹に包まれるようになると、傾斜が緩んで分岐の道標に達する。分岐を右に下るとチクマ山を経て花折戸尾根、途中で分岐するゴンザス尾根への道だが、あまり勧められない。このあたりはすでに頂稜だ。ほんのわずかで山頂に出る。山頂は、周辺の樹木が伐採され、以前とは打って変わって明るくなった。かつては売店だった小屋跡も撤去され、広々とした雰囲気だ。東側が切り開かれて眺望があり、御岳山や高水三山などが望める。ベンチに腰掛けてゆっくりと大休止したくなる。

大根ノ山ノ神へ下る

大根ノ山ノ神

 山頂から北に向かい、ほぼ水平の気持ちよい広葉樹林の中を進む。数分で道標があり、分岐らしいところがある。平石山から日原川の平石橋に通じる平石尾根があるが、立ち入り禁止のロープが張られている。
 道標から東に緩く下り林間を行くと、左手に長沢背稜の山並みが望める。しばらくすると東側に突き出て開けた地点に達する。瘤高山である。山名表示はなく、道標の片隅にかすかに記されている。東側の眺望はすこぶるよい。川苔山や狭山丘陵、都心部までが望める。ゆっくり休みたいが、狭いうえに東側が切れ落ちており、数人が限度である。立ち休みとしよう。ここは大ダワを経て川苔山方面への分岐で、北側の木立から急坂を下って行く。
 ここから始まる杉ノ殿尾根の下山路は、ルート上の最大のビューポイントだ。東側が切れ落ち、西側は植林、急坂の防火帯である。景色に気をとられると危険である。傾斜が急なうえザレているので、慎重に足を運ぶ。勾配が緩むとのんびりとした山道だ。やがて防火帯を離れる。

本仁田山全景

この分岐あたりが殿上山(でんじょうさん/1,011m)だが,ピークも定かではなく山名表示もない。
 道標から右の植林に入ってジグザグに下る。日の当たるところにはアセビも交じり、やがて左下から大ダワ方面からの道を合わせる。しばらく下ると突然明るくなり、林道西川線のカーブに飛び出す。舟井戸から川苔山方面への分岐だ。林道は崩落もあり下山には適さない。カーブのすぐ脇に下山時の休憩ポイント、大根ノ山ノ神(おおねのやまのかみ)が祀られている。小さな祠が岩の上に立ち、石仏がある。無事の下山を拝んだあと鳩ノ巣駅のある棚沢集落に向かって植林の中の下山を続ける。雨でえぐれている箇所も多く、歩きにくい道である。足の疲労もある。最後の30分を気を抜かずに下山する。途中の分岐に、右に熊野神社経由鳩ノ巣駅とあるが、直進して正方院経由の道が歩きやすい。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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