10.棒ノ折山から日向沢ノ峰、鳩ノ巣駅

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★★★ コース NO.10

棒ノ折山から日向沢ノ峰、鳩ノ巣駅

/多摩北端の都県境尾根に立つ奥武蔵展望の山へ/
1.日向沢ノ峰   1,356m

JR川井駅→西東京バス15分→清東橋バス停→10分→奥茶屋→1時間30分→棒ノ折山→20分→槇ノ尾山→30分→長尾丸山→45分→クロモ山→15分→山ナシ山→25分→送電鉄塔→35分→日向沢ノ峰→5分→燧石山→25分→踊平→30分→雷電山→5分→横ケ谷平→20分→曲ヶ谷北峰→15分→川苔山→15分→舟井戸→1時間35分→大根ノ山ノ神→40分→JR鳩ノ巣駅 (歩行時間/約8時間40分)
登山道グレード/★★★ 体力グレード/★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

「うら」は古語で峰を指す

棒ノ折山

 日向沢の峰は、多摩北端の都県境尾根に立つピークのひとつである。南には川苔山への尾根が、ピーク西のオハヤシノ頭(1,345m)からは有馬山稜が北に分岐し尾根が四方に交差する。峰(うら)は高みを指す古語だ。大丹波川源流の日向沢が突き上がる頭である。登頂にはいくつかのコースがあるが、今回は、奥多摩側から棒ノ折山へ登り、都県境尾根を西に縦走して日向沢ノ峰に登頂、下山は川苔山を経由しJR鳩ノ巣駅へ下る。
 JR川井駅から西東京バスで終点清東橋バス停へ。バス停から車道を歩き、奥茶屋からゴンジリ沢沿いの登山道に入り、針葉樹林帯の中の急坂を登り切ったところが棒ノ折山だ。頂上広場の道標に従い日向沢ノ峰への都県境尾根に入る。登山道は細く踏み跡に近いが、埼玉県側の雑木林は明るい。有馬ダムへの道標を見送り、登り返したところが古い道標が立つ槇ノ尾山(945m)だ。頂上からは平坦な広い尾根につけられた道をたどる。

槇ノ尾山

 右側に林道が現れ、道は尾根の急坂に取り付く。左手によく踏まれた道が分かれるが、長尾丸山を巻いてしまう道であり、ルートファインディングが必要な場所だ。縦走路は不鮮明な尾根道を忠実にたどり、樹木に巻かれた長尾丸山方面への標識を確認する。
 長尾丸山(958.3m)は、標識が雑木林の木に取り付けられた明るい広場だ。三角点が4つの石に囲まれている。山頂からロープのある急坂を下り、雑木林の中の小さなアップダウンの道を行く。「日向沢ノ峰まで2.8㎞」と書かれた道標を過ぎ、さらに尾根道を行くと雑木林の中にクロモ山(1,040m)の標識が現れる。標識がないと通過してしまいそうなピークだ。クロモ山からは、なだらかな尾根道が続いてひと息つける。不動山(1,025m)の標識がある小ピークを通過し、登り傾斜になったところに赤テープ標識の山ナシ山(1,087m)に着く。

日向沢ノ峰への最後の急登

燧石山

 山ナシ山の鞍部に下り、白い矢羽に従って日向沢ノ峰方面へ行く。右手の上空に送電線が見えて送電線鉄塔の基部に到着。鉄塔の周辺は広く展望が開けて休憩するには絶好だ。日向沢ノ峰から連なる有馬山稜がよく見える。鉄塔から下り、落合・有間ダムへの道標を見送る。尾根道を行くと白い矢羽が左上を指しており日向沢ノ峰への最後の急登が始まる。登り切ると突然広い平原が現れて、奥多摩の山奥とは思えない風景となる。日向沢ノ峰の肩であり、蕎麦粒山方面から続いている防火帯である。広場の真ん中に立つ道標は「蕎麦粒山、川苔山、棒ノ折山」の3つの方向を指す。日向沢ノ峰へは川苔山方面の小高い丘を登る。岩と道標の立つ狭い山頂だ。川苔山、蕎麦粒山方面が眺望できるが、ゆっくり休む場所がない。
 川苔山を目指して片斜面の防火帯の道を下る。左手の木の幹にヒウチイシ山と書かれた燧石山(1,320m)を確認する。この辺の岩質が火打石であることが推測される。
 防火帯の道は南西側の眺望が開けて、正面に川苔山、右手には三ツドッケなどが眺望できる。登山道は高度感がある岩場の上に出る。岩場の中に下山道があるが、慎重を期す際は左手の樹林帯の中の踏み跡を下る。岩場を下り蕎麦粒山巻道の道標を通過すると踊平の道標がある。踊平は、階段の踊り場と同じように燧石山から下ったタルミである。

人気の川苔山は登山者で賑わう

大根ノ山ノ神

 右手の川苔丸山(1,221m)を見ながら川苔山への道を進む。左手の小高い雑木林側にある東京都水道局林班界標と並んで立つ木柱の足元に雷電山(1,250m)の小さな標識を確認する。気流の流れで雷雨発生の場所といわれて付けられたようだが、地図にもなく忘れ去られる山である。すぐに横ヶ谷平の道標があり、左手に獅子口湧水へ道が下る。ここから川苔山への登り傾斜が始まる。赤杭山分岐道標を見送り、左の雑木林の側に曲ヶ谷北峰(1,340m)の小さな標識を確認する。赤杭尾根分岐の道標を通過すると川苔山東ノ肩に到着。川苔山、鳩ノ巣、百尋ノ滝、日向沢ノ峰への十字路だ。川苔山へは広い尾根を登るとすぐに到着。山頂は奥多摩の人気の山だけに登山者で賑わっている。
 山頂から東ノ肩に戻り、鳩ノ巣への下山道を行く。急坂を下り平坦な舟井戸の休憩所に行く。舟井戸は、川苔山山地からのタルミ(くぼ地)で浅く細長く舟底状の凹地の地形が名前の由来。舟井戸を過ぎると針葉樹林帯の中の登山道に入る。すぐ右手に大ダワ・本仁田山への道が分岐するが、道の状態が悪く通行注意の表示がある。やがてガレ場状の歩き難い道になる。
 ガレ場を過ぎて樹林帯の中の、まったく展望がなく単調な下り道が続く。歩きに飽きてきた頃に左下に林道が見えて大根ノ山ノ神に到着する。大根ノ山ノ神からは、林道を右に見送って急坂の登山道を下る。やがて右下に鳩ノ巣集落が見えて、観光トイレ広場を経由してJR鳩ノ巣駅に到着する。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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