報告)中級登山教室 槍ヶ岳 ―蒼空・雪渓・花の彩に溢れた世界―  高岡洋子

【日時】2025年7月11日(金)〜13日(日) 【天候】全日/晴れ

【参加者】10名L/小尾、講師/野口(い)、スタッフ/石川、受講生/浅野、佐藤、高岡、中山、祢津、山下、山本

【行程】1日目/8:00上高地発→9:00明神→10:00徳澤園→11:40横尾山荘→14:00槍沢ロッヂ(泊)、2日目/5:30槍沢ロッヂ→6:20ババ平→7:10水俣分岐→10:20殺生ヒュッテ分岐→11:30槍ヶ岳山荘→13:00槍ヶ岳→14:30槍ヶ岳山荘(泊)、3日目/5:00槍ヶ岳山荘→7:20氷河公園分岐→8:40ババ平→9:15槍沢ロッヂ→11:10横尾山荘→12:20~13:00徳澤園→14:00明神→15:00河童橋(解散)

【記録】◇11日◇上高地バスターミナルまで、自家用車、夜行バス、松本に前泊とそれぞれの手段で現地集合の予定だった。しかし、前夜、関東各地に線状降水帯による大雨警報が発令されると、交通網が大きく乱れ1名夜行バスに乗り遅れるハプニングが発生する。深夜ということもあり参加を断念することも頭をよぎったが、自家用車メンバーと合流することができ、全員無事に上高地に集合することができた。中級教室では初めてご指導いただく小尾講師が挨拶し、山行リーダーとしてのノウハウなどを指導した。

8時、出発。河童橋から、快晴の蒼空に穂高連峰が稜線を描くのを望む。コマドリの鳴き声を聞きながら沢沿いの道を歩き進む。梓川の対岸に明神岳がそびえ立っている。徳沢園での休憩ではソフトク リームを食べる。北アルプスの素晴らしい眺めに励まされて歩みを進めるが、槍ヶ岳はなかなか姿を見せてくれない。横尾でランチ休憩。金曜日のせいで登山者が少なく、トイレも混んでいなかった。

14時、槍沢ロッヂに到着する。入浴もできるとのことでうれしい。それぞれにビールや、おつかレモネードなどで一休み。小尾講師がご自身の常備グッズを見せながら、用途などを紹介した。

◇12日◇4時起床。酢飯の弁当を食べる。朝から快晴。5時半出発。馬場平でサルに遭遇。対岸の崖から槍沢に流れ落ちる数条の滝が、次第に低くなる。所々で、斜面いっぱいにニッコーキスゲ、チングルマ、ハクサンイチゲなどのお花畑が広がっていて歓声が上がる。多くの花と出会うが名前がわからない花も多く、写真に収めて答え合わせは下山後の宿題となる。

さらに登っていくと下から眺めていた雪渓が目の前に現れる。雪渓は3ケ所あったが、雪はシャーベット状になっていて踏み跡もあるためチェーンアイゼン無しで渡った。

播隆窟を過ぎると傾斜がきつくなる。槍ヶ岳山荘直下では標高も高くなる。暑く、足取りが重くなる。息も切れて来て、皆バテ気味。ゆっくり登るが、11時半、小屋に到着すると数名に頭痛や吐き気など高山病の症状があった。私は野口講師のアドバイスに従って息を吐くことを意識して呼吸していると眠ってしまった。数分後、野口講師のくしゃみで目が覚めると先ほどまでの体調不良が嘘のように消えて復活。まるで催眠術。1時間の休憩後、槍ヶ岳穂先に向かってのアタック。

いよいよ正念場の岩登り。1週間前の「平戸の岩場」クライミング講習が役立つ。

13時、3つ目のハシゴをよじ登ると山頂だった。素晴らしい眺めが広がる。

時折、雲が湧くが、すぐに晴れて、東に常念、蝶ケ岳、西に鷲羽、薬師、立山など、名峰が連なる。集合写真を撮影し、各自写真もしっかり撮って、名残惜しみながらも約30分で下山開始。

リーダーの「集中していくよ」の掛け声に気を引き決める。垂直ハシゴに1歩ずつ足を下ろしていく。ハシゴは登りよりも恐怖を感じるが講師のアドバイスをいただきながら無事に穂先から下山。ハイタッチすると、山頂を踏めた喜びと、緊張からの解放とで、涙が込み上げてくる。しかし、山荘からの名物『気まぐれプリン』販売のアナウンスで、いそいそと列に並ぶのだった。

◇13日◇今日も快晴。真っ赤な朝焼けをバックに黒くそびえ立つ穂先には山頂でご来光を待つために登っている人々のヘッドライトの列が見える。ちまき弁当を食し、5時出発。

本日の行程は長い下りが続くので、ゆっくりと歩き始めて少しずつペースを早めるようにと野口支部長よりアドバイス。

雪渓を慎重に下る。3つ目の雪渓の最後の数歩が日陰で凍っていて、滑り落ちると危険な斜面だったので、1歩ずつ踏み跡の上から足を乗せるようにして緊張して足を運んだ。

少し下ると雪渓で走り回る子猿の微笑ましい姿に癒される。川沿いの岩の上にキセキレイもいた。

ババ平でもサルが数頭いた。木立が高くなってきて緑にも癒される。

槍沢ロッヂでデポした荷物を回収。膨らんだザックを背負って再び歩き始める。なだらかな下り斜面で歩きやすい。途中、登山道の水たまりにオタマジャクシの集団がいたが、水が少なくなっていたので、そばの沢から沢水を注ぎ足してレスキューした。立派なカエルになるんだよ。横尾で昼食の予定で一休みしたが、メニューが豊富な徳澤のレストランで昼食を摂ることにして、先を急いだ。この山行はちょっとグルメっぽい・・・。

徳澤到着。小屋のレストランでカレー、うどんのほか、ピザにありついた者もいた。橋の脇で沢水に足先を浸す。数秒しか浸せないほど冷たかったが、気持ちが良く、疲れが吹き飛ぶ。

徳澤を出発し、明神岳を背景に最後の集合写真。皆、充足した良い顔。まもなく、子ザルから大ザルまで、20頭位のサルの集団と遭遇したが、お互い、素知らぬ顔ですれ違った。熊ともこういう関係なら良いのだが。明神で最後の一休みして、予定通り、3時に、観光客で賑わう河童橋に着いた。「皆さんよく頑張りました」と講師からお褒めの言葉。嬉しさと同時に今回の山行が終わってしまう寂しさも感じてくる。中級教室も後半戦に入り、少しずつ脚力に自信が付き、チームワークも深まってきたことを改めて実感できる槍ヶ岳山行となった。(文/高岡、写真/受講生)

 

 

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