日 時
2025年5月14日(水) 18:30~20:50
場 所
オープン・イノベーション・フィールド国分寺 4階 第2セミナー室
参 加 者
講師およびスタッフ20名 受講生22名 合計42名
報 告
第3回目の講座「地図の読み方」が開催された。講師は登山教室総括Lの宮崎紘一氏。
まず「どうやって山の高さを測るの?」という新聞記事が取り上げられ、東京湾の平均海水面の高さを「標高0m」としていること、一方地上にある基準は東京の国会前にある日本水準原点で、その標高は24.3900mであることが紹介された。山の高さはここを出発点に計測されてきたが、今年の4月からはGPSを使って測る方法に変わったそうだ。
次に全国の遭難件数のグラフが示され、年々遭難者が確実に増えており、都道府県別にみると東京都が全国2位になっていることに驚かされる。その遭難事故の詳細を見ると「道迷い」が4割を占めることから、登山者にとっての「地図読み」が如何に大事かという事の本題に入っていく。
地図にはいろいろな種類があり、1/50000の「山と高原地図」(コースタイム等が載っている)や電子地図として代表される「YAMAP」「ヤマレコ」などがあるが、原版は国土地理院発行の1/25000の国土基本図の「紙地図」である。受講生に地図を配布し手に取ってもらい、緯度経度・方角・等高線・磁北線の確認をした。またインターネットを使って無料で印刷できて色々と加工もできる等の説明がある。山岳会でも登山の際にはできるだけこの「紙地図」を使って登るようにしていると話された。縮尺の数字の小さい地図の方が色々な情報が読み取れるが、地図が大きくなってしまうというデメリットがあるので、山では1/25000地図が使い易いとも。
途中10分間の休憩を挟んだ後は「山岳地の地形と名称」についての説明。
等高線の幅を正確に読むことによって地形を思い浮かべ、各名称(頂上・尾根・谷など)を覚え地図記号なども見て、地図上の表現と実際の地形とを理解することが大切だ。そして山岳会の登山の事前準備として、印刷した「紙地図」に印をつけて持参することは必ずやるべき作業の1つであることが強調された。
またコンパスの扱い方として①水平に持つ②磁気に反応しやすいのでスマホの近くは避ける、そして「道迷い」をしないため①地図を北に向けて正しく持つ②ルートの分岐点・屈折点では地図を頻繁に確認する③特に頂上からの下りルートの確認をしっかり④思い込みで判断しない、以上の注意が大切だ。
最後に、登山の最後の武器は「気力と体力」という言葉で、宮崎氏の話が締めくくられた。
講座に続き、5/31に予定されている第2回実習山行「御前山」山行リーダーの山内さんから登山計画書と地図の説明がされる。
また補足として、宮崎氏より先ほど配布した地理院地図の折り方についても伝授された。
講座が始まる前に受講生同士で談笑する姿も見受けられ、少しずつ仲間意識が育っているように思われる。「御前山」では本日の講座の内容を受講生が理解する手助けができるよう、スタッフも気持ちを引き締めていきたいものだ。 (文:写真/菊地美奈子)