報告)中級登山教室 登山実習「日光白根山」

日時

2022年3月19日(土)−20日(日)曇時々雪、時折晴

 

行程

3月19日(土) 前泊

3月20日(日) 8:55 丸沼高原スキー場ゴンドラ山頂駅 → 11:50 森林限界通過 → 12:45 山頂手前のピーク → 15:05 丸沼高原スキー場ゴンドラ山頂駅

参加者

5名 / 受講生:山内,石川,藤本                          講師 :宮崎,佐藤

 

写真/藤本  佐藤  石川  山内    文/藤本

 

記録

3月19日は午後3時半JR沼田駅に集合し、片品村の民宿に前泊。翌20日、宿の車で丸沼高原スキー場まで移動し、インフォーメーションセンターでココヘリの発信機をレンタルしてゴンドラで山頂駅まで上がる。8時55分、小雪が舞う中アイゼンを装着して登山開始。受講生で先頭を交代しながら登っていく。しばらくなだらかな雪道を進むが、七色平分岐を超えたあたりからアップダウンがきつくなり、時折現れる木が生えていない沢を慎重に横切りながら高度を上げていく。前日に降り積もった雪が柔らかく、足場が崩れて登りにくい。

標高2,400 m付近で樹林帯を抜けるといきなり視界が開け、わずかな青空とともにクラストした沢状の急斜面が現れた。そのまま先行したパーティーが付けたトレースを登ろうとしたところ、沢を直登するのは危ないのではないかとの指摘で脇の凍った砂利道にコースを変更。しばらく進むとガスで視界が悪くなり、風も強くなってくる。斜面がさらに急になる直前で沢をトラバース。途中雪の表面が硬く締まった場所があり、ここで足を滑らせるとどうなるかを想像して一気に体が硬くなる。講師の宮崎さん、佐藤さんに先導いただいてへっぴり腰でついていくも、危険な場所を越えて雪が柔らかくなった途端、今度は斜面の雪を掘るだけで全く足場が作れずその場で足踏み状態となる。自分で掘った穴からなんとか抜け出し、ようやくたどり着いた岩場で一息ついて水を取り出そうと脱いだ手袋を無造作に斜面に置いた瞬間に「風で飛ばされる!」との声で慌てて回収。事前の準備会であれほど注意され、頭では理解していたはずなのに、ちょっと集中力が途切れるともう忘れてしまうのかと、情けなくなる。

結局時間切れで白根山山頂はあきらめ、手前の南峰に登る。頂上で写真を撮る数分間、雪混じりの強風が顔に当たり頰が痛い。これが凍傷の前段階だと気づいて、顔を覆う装備を身につけていなかったことを後悔する。撮影後すぐに下山開始。樹林帯の直前まで戻って一休み。朝食時に宿で水筒に入れてもらったただのお湯が驚くほど美味しい。振り返ると、つい先ほどまでの悪天がなかったかの様な青空が広がっている。これが山の天気か、と実感させられるが、登る際に一瞬感じた命の危険を思い出すと、少しタイミングがずれれば頂上に行けたのに、という悔しさは不思議と残らず、無事に登って降りてくることができたという安堵の思いが強かった。休憩後、慎重に足場を選びながら登ってきた道を降りるが、登りで消耗した足がいうことをきかず、何度も雪を踏み抜き、その都度アイゼンのベルトが外れる。踏み抜いた足を穴から引き抜く際にアイゼンのベルトを締めるラチェットのレバーが雪に擦れて解放されてしまうことが原因だと気づき、購入した際に付属していたレバーを固定するストッパーの必要性をはじめて理解する。下山自体はスムースに進み、ほぼ予定時刻通りに山頂駅に戻ってくる。ゴンドラで麓まで降り、ココヘリの発信機を返却して終了。途中ペットボトルの中の水が凍って飲めなくなるは、用意した昼食は食べそびれるは、反省点の多い山行だったが、その分得るものも大きかったと思う。

2年前、人に連れて行ってもらう山行から人を連れて行ける山行を目指して中級登山教室の受講を決めたが、教室最後の山行でまだ全くその域に達していないことを思い知らされた。今後も努力を重ねる必要があると感じている。                                                                                                                   藤本

小雪が舞う中登山開始

 

前日積もった雪がやわらかく登りにくい

 

目前のクラストした雪の沢を渡る

 

南峰に登頂 ガスで何も見えない

 

登った道を下る 樹氷がこんなに綺麗だったのかと後から写真を見て気づいた

 

無事下山

 

振り返ると青空に白根山

 

 

 

 

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