43.小峰公園から秋川丘陵を東へ、網代城山、雹留山

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★★ コース NO.43

小峰公園から秋川丘陵を東へ、網代城山、雹留山

/一揆の名残ある城山から名前に引かれて雹留山へ/
1. 網代城山  330.8m
2. 雹留山   264m

JR武蔵五日市駅→西東京バス10分→小峰公園バス停→5分→小峰緑地→15分→登山口→30分→網代城山→10分→網代弁天山→15分→消防団・トイレ→35分→上川峠→12分→雹留山→35分→二条城跡→25分→上戸吹バス停→西東京バス15分→JR秋川駅・八王子駅、京王線京王八王子駅
(歩行時間/約3時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★ 技術力グレード/★ 総合コースグレード/★★

地元とつながりの深い山域を歩く

網代城山

 15世紀頃、このあたりの地侍は、農山村民の指導者として自営権力を持っていた。これを南一揆といったそうで、網代城山は、そうした地侍や農民が協力して造り、利用していたという網代城の本丸跡だ。いわば庶民が造った山城だが、後に北条氏照らに支配されてしまう。
 雹留山は、山麓の農民に山菜、薪や炭、落ち葉、キノコなどを提供してきた、いわば宝の山だった。今はゴルフ場の造成などで削られ、小さな神社があるだけだ。これら地元と密接な関係にあった山を訪ねて秋川丘陵を歩く。
 JR五日市線の終点、武蔵五日市駅から京王八王子行きの西東京バスで小峰公園バス停で降りる。2kmほどの距離なので歩いても大したことではない。小峰公園は都の公園で、全体がハイキングコースになっており、里山での米作りやバードウォッチング、自然体験教室などが開催されている。
 バス停からわずかに戻り、小峰台緑地(前山公園)に入り、丘の上の遊歩道を行く。ところどころにある道標には「高尾公園」と書いてある。薮がうるさい部分もあるが、踏み跡はしっかり付いている。天王橋を渡り、道標に従って山道に入る。畑の横を通ってスギの植林地の中を行き、やがて急登の丸太階段道を登ると、前方が明るくなって山頂が近付いてくる。左から高尾神社・高尾公園からの道を合わせるともう山頂だ。
 小広い山頂には城の遺構図と由縁が書かれた解説板が立ち、すぐそばに三等三角点が半分埋もれた状態でたたずんでいる。樹木が育ったせいか冬枯れの時期以外は展望はあまりよくないが、平坦な地勢はここに山城があったことを色濃く伝えている。

展望と花の名所、網代弁天山

弁天山

 小休止の後は南東側に下り、網代弁天山(292m)に向かう。途中で山腹を見ると掘割の跡などが見える。この後、急下降の丸太階段を下り、山腹を巻く道を行くと、間もなく網代弁天山の直下に出る。短いがかなり急な道を登ると網代弁天山に着く。岩がゴロゴロしている狭い山頂だ、周りにはミツバツツジやヤマザクラが多く、4月上旬から中旬にかけて赤紫色や薄紅色に包まれる。多摩の山々ではもっともきれいな花の山のひとつである。展望もまた素晴らしい。食事でもしながらゆっくりしたいところだ。
 下山は、わずかに戻って左へ山腹に付けられた道を下る。ここもミツバツツジが群生し、赤紫色に彩られたトンネルをくぐり、弁天洞窟や貴志嶋神社に出て、道なりに下って水田地帯に出る。そこには朱色に塗られた鳥居がある。この先、消防団と網代会館がある広場に出る。立派なトイレがある。

秋川丘陵自然歩道

 ふたつ目の目的の山、雹留山へ向かうが、いくつもある道標には、いっさい名が出てこない。二条城への道標ばかりだ。雹留山は途中にあるので心配しないで行こう。春先には、この地の特産物・ノラボウ菜(野良坊菜)の畑が広がる中を東に向かう。
 幅の狭い弁天橋を渡り、道なりに行き、携帯電話中継塔を過ぎ、網代トンネルの右手の車道を登る。ゴルフ場が左右に見え、ゴミの最終処分場を過ぎると、右手に注連縄で飾った大きな石がふたつほどある。鎌倉時代の武将畠山重忠がここで馬を繋いで休憩したといわれるところだ。御前石もしくは駒繋ぎ石と呼ばれている。そのわずか先が上川峠で、ここから秋川丘陵自然歩道、未舗装の幅広い道になる。スギの伐採地を過ぎると、雹留山への道標と私製の解説板がある。薮の中を少し登ると石囲いの小さな神社があり、眼下にはゴルフ場が広がっている。山頂部分は削られているが、このあたりが雹留山だ。地形図の標高点からやや西にずれている。

竹薮に囲まれた二条城跡でひと休み

二条城跡

 自然歩道に戻り、道なりにどんどん東の方へ行く。作業道が何カ所も交差しているので要注意だ。とにかく広い道を選んでいけばよい。登山道の左側奥には、日照山(240m)、破風山(210m)があるが、到達は困難でお勧めできない。広場風の箇所を3カ所ほど過ぎると道は狭くなり山道になる。左に小神社を見て、少し先で尾根道に上がる。左側が切れ落ちた細い道を行くので十分注意して歩く。
 モウソウチクの薮が見えた先に小広場があり、小祠やベンチなどがある、二条城跡だ。根小屋城跡ともいうらしい。誰がいつごろ建てたか詳しいことは分かっていないが、雰囲気のよい場所なのでひと息入れて行こう。竹薮の中の坂道を右手に下ると上戸吹(かみとぶき)の集落に出る。道なりに東へ行くと、西東京バスの上戸吹バス停が見えてくる。ここからはJRの秋川駅か八王子駅、または京王線八王子駅に出る。

この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)

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