報告)東京都レンジャー滝澤憲久氏講演会「奥多摩の自然を守ろう」

滝澤 憲久 氏「奥多摩の自然を守ろう~東京都レンジャーの話~」

滝澤 憲久 氏「奥多摩の自然を守ろう~東京都レンジャーの話~」

~ 自然保護委員会主催 ~

日 時

2021年10月29日(金)18時30分~20時30分

会 場

立川市女性総合センター5階第3学習室

演 題

奥多摩の自然を守ろう~東京都レンジャーの話~

講 師

東京都自然保護指導員(東京都レンジャー) 滝澤 憲久 氏

参加者

一般 7名、会員 20名、計27名

報 告

東京都自然保護指導員(東京都レンジャー)滝澤 憲久 氏

2021年10月29日に東京都自然保護指導員(東京都レンジャー)滝澤憲久 氏を講師による講演会「奥多摩の自然を守ろう」が、自然保護委員会主催で開催された。瀧澤氏は自己紹介をした後に、動植物、地質、気象などの専門家ではないが、山の巡視をしており良く知っているので、今日の講演は双方向を重視した講演にしたいと述べた。東京都レンジャーは正式には、東京都自然保護指導員で非常勤職員である。主な業務は、①利用マナーの普及啓発および指導②法令違反行為の監視、指導③自然公園施設の点検、応急補修④山火事、森林災害の早期発見、防止⑤サポートレンジャーの指導、監督で、現在25人(奥多摩地区4、御岳地区4、檜原地区3、高尾地区5、小笠原9)で行っている。講師は奥多摩地区を担当している。

奥多摩は、秩父多摩甲斐国立公園で東京、埼玉、山梨、長野の1都3県にまたがり一番標高が高いのは北奥千丈岳である。東京都公園計画では、特別保護地区、第1種特別地域、第2種特別地域、第3種特別地域、普通地域に分け管理している。奥多摩の最大の特徴は火山がないことである。奥多摩の自然と魅力について、春、夏、秋、冬の風景写真で説明した。標高毎に変化する植物は、亜高山帯(1800m以上)、山地帯(1800~700m)、低山帯(700~250m)に分けた樹林風景で説明された。昆虫などを含む動物はセンサーカメラ動画と写真でクイズ形式で紹介された。植物も同様に多くの写真を紹介した。

自然公園の保護と利用は、利用者が安全に利用できるように、自然とのバランスが大事である。東京都レッドリスト(本土部編)2020年版を示して、10年前より絶滅危惧種が増えていることを示した。しかし、レッドリストの種だけ残れば良いわけではなく、今日一番言いたいのは「生物多様性と生態系を守る」ことである。地味で目立たない生物達も自然の構成員である。生物と生物が係り合う関係は、絵本「つちはんみょう」に良く描かれている。自然の複雑な関係性の全貌を人間は解明できていないので、生物多様性が守れない。

具体的な自然公園の保護と利用は、配布された「自然公園利用ルールガイド」に詳しく、強調して説明した。そのために東京都は、登山道、指導票、橋、階段、避難小屋を整備しているので、その情報を各ビジターセンターに提供して欲しい。抱える課題としては、自然災害の猛威(台風、豪雪、大雨など)、シカによる食害、人による被害(オーバーユース、盗掘、踏み荒しなど)がある。

自然公園の整備と保全は、デリケートでやり過ぎると自然を壊してしまうので、情報を集め注意深くやるしかない。最後に「みんなで守ろう!東京に広がる大自然!」と述べ講演会を終了した。

(文:河野悠二、写真:石塚嘉一)

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