報告)天狗岳は強風と寒さで撤退(2021年度登山技術講習・積雪期・第1回)

1 日時

2021年12月25日(土)~26日(日)

2 山域

天狗岳(八ヶ岳)

3 天候

12月25日(土)曇り時々晴れ(PM3:00黒百合平の気温-6℃、樹林帯は風弱い)

12月26日(日)曇り(AM8:30標高2500m地点の気温-20℃、風速15m/s)

4 参加者

(参加者9名)L佐藤守・SL西山さより・SL富永真由美、中原三佐代、中尾理絵・元木尚子・鎌塚紀子・植草由利・小野勝昭

5 ルート及びコースタイム

12/25(土)茅野駅9:20発(バス)=渋の湯(1Km手前)10:20着→トイレ前で準備・11:05発→黒百合ヒュッテ14:00着 (泊)
・・・気温が低く、休憩しているだけで寒くなる。先発隊と後発隊の到着時間差があり、先発隊はヒュッテで受け付け後休憩。天狗の庭での講習は中止。

12/26(日)朝食(6:00~6:20)後準備~黒百合ヒュッテ7:10発→2450m(樹林帯が終わる手前でストックからピッケルに持ち換える)7:50発→強風帯に入る→2560m地点で撤退8:30発→黒百合ヒュッテ9:10着・9:25発→渋ノ湯トイレ前11:20着12:00発(タクシー)=茅野駅12:35着(解散)

6 報告

数年ぶりの大寒波がくるとのニュースで、1週間程前から数回、気象担当から情報配信があった。冬型気圧配置が26日には更に強まるとの事。−20℃に加えて強風。今まで体験した事のない天候予報に悩みながら衣類を詰め込んだ。

12月25日 茅野駅バス停で一同顔を合わせ、大混雑のバスに1時間ほど揺られた。バスは渋の湯まで入れず、1Km手前で終点となった。車道歩き10分強。雪の美しさに歓声をあげながらも登り坂に息が切れる。渋の湯手前のトイレ前で出発準備。気温0℃。雪の世界へ。

渋の湯から黒百合ヒュッテへ1150頃

今シーズン初のアイゼン歩行に意識を高めて一歩一歩進む。昨晩の積雪で最高の状態。

パノラマ分岐で休憩1230頃

キュッキュッと踏みしめ雪山ならではの音を楽しむ。覚悟していた寒さも感じずパノラマコース分岐で、昼休憩もとれた。下山してくる人達に状況を尋ねたら「暴風でトレースも消え、中山峠で引き返してきた」とのこと。標高2340Mあたりから風がうなり始めた。が、10分程で小屋到着。気温−6℃。雪掻きしていた小屋の方が「昨晩は30〜40cm降った。今日は、誰も山頂へ行ってないよ」と言っていた。
小屋の中は暖かく快適。佐藤Lからレクチャー受け明日に備えた。小野さんからワインとケーキのクリスマスプレゼントを頂き《メリークリスマス》の乾杯をした。夕食はクリスマスバージョンで美味しく頂いた。7:30就寝。

12月26日 5:00起床。気温−20℃。

星が綺麗だった。7:00集合。寒い時は待つのが辛い。時間厳守が必須だと痛感した。出発時気温−21℃。中山峠を通過し展望が開けた。曇の中に陽の光が感じられ幻想的な景色に引き込まれた。しかし寒さで手袋取れず、止まれず写真は撮れなかった。

稜線に出ると強風と戦うだけでなく、雪の状態も変わりズボズボと踏み込めず斜度も増してきて過酷だった。標高2560M地点で引き返す。気温-20℃。風速およそ15M。

標高2560m付近で登頂断念830頃

黒百合ヒュッテに到着した時「これだけしか登ってないの?」と思うほど下りは速かった。皆まつ毛が凍り真っ白だった。帽子からはみ出した髪も凍ってた。一休みし渋の湯へ。下山途中で頼んだタクシーで茅野駅へ向い解散した。朝の−20℃と稜線での−20℃。同じ気温だが、風速の違いでこれだけの体感温度の差があるのだと身を持って実感できた。行動食や飲み物の携帯の仕方も強風雪山ならではの工夫が必要だという事もわかった。風にあたり頬が痛い指先がジンジン痺れてくる体験もし、シモヤケや軽い凍傷に罹った仲間もいて、装備や行動について改めて考えた。雪の状態や傾斜によって、アイゼンの効かせ方の違いも実感できた。雪山の厳しさを感じ、山頂到達できなかったが、充実感のある山行であった。

(報告/中原)

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