報告)三つ峠アツモリソウ保護活動(種まき)

「日  時」

2022年11月12日(土)~13日(日)

「天  候」

両日とも晴れときどき曇り

「参加者]

河野(L)、小河、清登(埼玉)、菅野(浅)、村上、八木、吉田、岡(世話役)計8名

「日  程」

12日(土) バス停(10:35)→(12:20)三ツ峠山荘・昼食(13:00)説明・種蒔き作業・(14:30)→(14:40)フェンス修理(15:50)→(16:10)開運岳山頂散策(16:30)→(16:40)山荘(19:00)夕食(20:00)・・(21:00)就寝

13日(日) 山荘(5:50)→(6:05)開運岳・ご来光(6:30)→(6:45)山荘‥(7:00)朝食(7:30)・・山荘(8:20)→(9:25)御坂登山口(トイレ)・解散(9:40)→(9:55)バス停(10:20)この後、バスで河口湖へ、紅葉祭りを見学、河口湖駅近くで昼食。

「記  録」

今年の6月に定例の除草作業に来た時、この道30年、アツモリソウの保護活動を続けておられる伊藤さんと知り合い、毎年秋にアツモリソウの種蒔き作業をおこなっており、我々のような全くの未経験者でもできそうな話を伺ったのが契機で、今回伊藤さんの指導の元で実施することになった。

アツモリソウ種まき参加者

種は、長さ3~4cmほどの細長い朔果という袋の中に、約2000個も蓄えられており、粒というよりは粉のように小さい。自然界ではこれが、風に乗って新天地に運ばれるのだが、そこに栄養源である共生菌などがなければ発芽出来ない。運よく共生菌があっても発芽するには2~3年かかり、さらに花を咲かせるまでには10年以上かかるそうである。種蒔きは半径1mの円状の部分の枯れ草を除去し、そこに4個の朔果の種をまんべんなくふりかけ、その上に再び枯れ草を戻して作業は終了である。今年の種蒔き作業は、この1回だけなので、「数年たって1本も発芽してなかったらどうしよう!」と責任を感じてしまう。研究によると自然界のアツモリソウの発芽率は10万分の1だそうだ。仮に今回蒔いた種(9か所x4朔果x2,000s粒/朔果=72,000粒)のうち1本発芽したとするとその発芽率は7万2千分の1(14PPM)で研究の値に近い。いづれにしても、奇蹟という言葉がふさわしいとまで思える。種がこんなにも小さいのは、この奇跡を当たり前にするためのアツモリソウの進化なのかもしれない。失われた自然を取り戻すのは、数字の上でもこんなに大変なことだとあらためて感じた。

アツモリソウ種まき作業

種蒔き作業の後は、鹿がフェンスを乗り越えて侵入した所の補強作業を行った。丁度フェンスの内側、外側に太い倒木があり、鹿はそれを利用して高いフェンスを乗り越えたらしい。従って、倒木をかたづけたり、フェンスを高くしたり、バラ線を追加したりの作業の手伝いを行った。鹿も、生きるためにいろいろと知恵を絞っているようだ。

アツモリソウ種まきフェンス修理

アツモリソウの保護活動の大切さについて、テンニンソウの除去作業だけでは分からない新たな知見が得られ、貴重な体験ができた。(文・写真/岡)

 

 

 

 

 

 

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