報告)2024年3月 定例山行 硫黄岳

- 最大風速25メートル!? 爆風の山頂から見た八ヶ岳は美しかった -

 

日程

2024年3月2日(土)~3日(日)

 

天候

両日とも晴れ、2日目の夏沢峠~硫黄岳は西寄りの強風

 

行程

<1日目>

9:00(集合)~9:20小淵沢駅(タクシー)=10:15~10:40みどり池入口→12:50みどり池→13:20中山峠分岐→15:10本沢温泉(泊)

<2日目>

7:10本沢温泉→8:40夏沢峠→10:15~10:20発硫黄岳→11:15赤岩の頭→12:25~12:45赤岳鉱泉→14:30美濃戸→15:20~15:35美濃戸口(タクシー)=15:55小淵沢駅(解散)

 

参加者

L佐藤(守)、SL山本(曜)、上原、鎌塚、齊藤(理)、酒井(眞)、古谷(和)、松本(賀)

 

記録

<山行前>
山行二週間前に準備会を対面で実施。計画や装備などについてリーダーから説明があり、疑問や不安を解消して山行に臨むことができそうだ。中には初対面のメンバーもいたが、事前に顔を合わせて会話できたこともよかった。山行一週間前からリーダーより天気情報がメール配信される。山行数日前に低気圧通過、積雪の予報。当日は強風と低温の予報。天気図や各社予報を見ながら、雪崩は大丈夫か、ラッセルの必要はあるか、強風で登れるのか……直前まで気が抜けない。

<1日目>
小淵沢駅改札で全員集合する。駅構内の交流スペースに移動。共同装備の分担、オーバーパンツやスパッツなどを装着して、タクシー降車後すぐに歩きだせるよう準備する。ジャンボタクシーに乗り込み出発。稲子登山口のあたりから道路に積雪があったが、予定していた登山口「みどり池入口」までタクシーを乗り入れてもらえた。登山口からアイゼンをつけて気持ちの良い樹林帯を歩く。雲一つない八ヶ岳ブルーの快晴、足元の雪がまぶしい。ほどなく「そういえば集合時に自己紹介をしていなかった」とリーダーの声かけにより、改めて自己紹介し合う。登山口から2時間ほど、しらびそ小屋で休憩。気温は低く、止まっているとあっという間に手足が冷たくなるが、風はない。一方、凍ったみどり池越しに見える硫黄岳に目をやると、稜線から雪煙が舞っているのが分かる。雲は勢いよく流れており、明日の強風を想像する。森の散策を楽しみながら本沢温泉に到着。到着後、リーダーほか3名で明日歩く夏沢峠方面のルートを偵察に行く。積雪やトレースの確認と、アイゼンで踏み固めておくと翌朝歩きやすいそう。幸いトレースが付いていることを確認できたので、30分位で本沢温泉に戻る。残ってくれたメンバーにはチェックインをお願いしていたものの、全員揃わないと受け付けてもらえないとのこと。寒い廊下で長時間待たせてしまい申し訳なかった。夕食前に女性3名は「日本最高所野天風呂2150m雲上の湯」にチャレンジ。脱衣所はなく外で着替えるのがとても寒かったが、ちょうどよい湯加減で体の芯から温まった。内風呂に入ったメンバーによると、こちらも熱めの温泉だったそう。夕食後は談話室で薪ストーブを囲み、明日の行動予定を確認。メンバーが差し入れてくれたウィスキーやおつまみをいただきながら語らう。19時過ぎ就寝。

<2日目>
5時起床。夜中は枕元から入ってくる冷気が寒かったが、皆まずまず眠れたようだ。部屋の気温は0度、外の気温はマイナス11度、晴れ。朝食後、リーダーにお湯を沸かしてもらい、めいめい準備をする。同宿には団体ツアーもいてにぎやか。私たちはツアー客が出発した後、7時過ぎに出発する。ほとんどのメンバーは歩き始めからピッケルを手にする。まずは夏沢峠を目指し、そこで次(硫黄岳山頂)に進めるか判断。昨日歩いてきた登山道よりも雪が深い。本沢温泉から1時間半、高度を300mあげた夏沢峠に到着。今までより強い風を感じ、緊張感が高まる。登頂へ向けて最終準備をする。バラクラバやフードをかぶりアウターのファスナーを閉め、アイゼンのゆるみがないか確認する。こんな強風の中でも登山者は意外と多くて心強い。青空が広がっているが風はどんどん強くなり、森林限界を超える頃には時折爆風が吹き付けてくる。強風で声がかき消され、体が振られる。頭を低くして!と大きな声が飛び、耐風姿勢を取りながら黙々と進んでいく。後から聞いたところによると、風速は25m/s位とのこと。一歩一歩進めば大丈夫と自分に言い聞かせながら、強風に晒され歩くこと2時間弱、10時過ぎについに硫黄岳登頂。強風と寒さでじっとしていられない。でも眺望は最高。ゆっくり山座同定する余裕はないが、美しく迫力ある八ヶ岳の姿を目に焼き付ける。集合写真を撮ろうとしても支部旗が強風であおられ苦労する。なんとか写真を数枚撮って、早々に下山開始。山頂直下の岩が出ている所を慎重に通過。風を避けられる広い尾根に着き、ようやく一息着けた。この先は赤岩の頭、直下は雪崩の要注意ポイント。急な斜面を気を付けてくだり、樹林帯に入る。硫黄岳山頂から約2時間、赤岳鉱泉に到着。この頃には太陽は隠れ雲が広がっていた。赤岳鉱泉からは北沢経由で美濃戸へ向かう。堰堤広場でタクシーに美濃戸口まで来てもらうよう電話する。15時過ぎに美濃戸口へ下山、タクシーで小淵沢駅へ。タクシーを降りてすぐホームに向かえば、予定していた特急より早い電車に間に合いそうなため、タクシー車内で解散式となった。

<終わって>
雪山の厳しさと楽しさの両方を実感できたが、帰宅後、凍傷になっていることに気づいたメンバーも複数いて、今回の山行の厳しさを改めて感じた。またベテランの方々の助けがあったこと、全員が協力しあえたことにより、無事登頂できて感謝している。さらに早いうちから綿密に計画を練って準備を進めてくださったリーダーのもと、計画段階から勉強になった山行だった。

(文)山本 / (写真)佐藤、上原、鎌塚、齊藤、古谷、山本

 

写真

 

強風の中、山頂を目指す

赤岳・阿弥陀岳をバックに

硫黄岳山頂

 

 

 

 

 

 

雲上の湯

くつろぎのひと時

 

 

 

 

 

 

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