報告)登山技術講習「花の大同心稜から横岳・赤岳」

日 時

2022年6月25日(土)~26日(日)

天 候

6月25日(土)曇りのち晴れ、6月26日(日)曇り風強い(15~20m/s)

参加者

L佐藤守、SL赤坂優貴、佐野豪昭、赤坂憲子、元木尚子、山本曜子

行 程

6/25(土) 6:00赤岳山荘駐車場→6:15~6:25美濃戸山荘→北沢→8:20~8:30赤岳鉱泉

→8:40大同心沢→大同心稜→10:05大同心基部(ヘルメット・ハーネス装着)

→大同心ルンゼ取付き→12:05横岳奥ノ院→12:30三叉峰→14:20赤岳展望荘(泊)

6/26(日) 5:50赤岳展望荘→6:35赤岳山頂→7:30文三郎尾根分岐→7:45中岳山頂

→8:15中岳分岐~9:20~9:40行者小屋→南沢→12:00赤岳山荘駐車場(解散)

報告

【1日目】夜中の土砂降りから一変、雲の切れ間から青空がのぞいていた。赤岳鉱泉で一息入れ、大同心沢分岐でロープをくぐりバリエーションルートに入る。大同心稜の急登をひたすら登ること約1時間半。樹林帯を抜けると大同心の大きな壁が目の前に、振り返ると眼下に雄大な景色が広がっていた。大同心の基部でハーネス・ヘルメットを装着。基部から小同心側へトラバース。斜面右側が切れ落ちていてなかなかの高度感、足がすくむが慎重に進む。大同心ルンゼは手がかりや足場もしっかりしており、見た目より登りやすい。ルンゼの上はウルップソウ・ハクサンイチゲ・ヨツバシオガマなどのお花畑。きれい!声をあげずにはいられない。私たちだけでこの景色とお花畑を独り占めしている感が何とも贅沢だった。ハイマツ帯を登り切り一般ルートに合流。ホッとしたのも束の間、横岳の稜線は風が強く、鎖・はしごの連続でこちらも気を抜くことはできない。この時期にしか見られないツクモグサなどの可憐な高山植物に癒されながら、何とか今夜の宿である赤岳展望荘に到着。緊張感から解放され、おいしい食事を頂きゆっくり眠りにつくことができた。

【2日目】夜通し降り続いた雨はあがったものの、風は依然として強く収まりそうもない。気象協会の予報では風速は20m/s程。笠をかぶった富士山に見送られ赤岳展望荘を出発。赤岳への急登を登る間に青空は消え山頂は雲に覆われていった。赤岳山頂は、視界不良で展望なし。風速15m以上あっただろうか。飛ばされそうになりながら何とか写真だけ撮り早々に山頂を後にした。下山は、風に何度も煽られて気を抜くことが出来ない。姿勢を低くしながら慎重に下った。途中の鎖場で、セルフビレイの練習をする。今日のような悪天候時には危険を回避するために必要だと身をもって感じた。中岳のコルまできて、強風で展望を望めない阿弥陀岳を断念することにした。中岳分岐から樹林帯に入ると嘘のように風はなくなった。下界は2日続けての猛暑日とニュースで見ていたが、標高を下げるにつれ下界を肌で感じる。阿弥陀岳に行かなかったため予定時間より早い下山となり南沢のホテイランの自生地を見ながら美濃戸へ戻った。

今回の技術講習は、バリエーションルートに緊張し、鎖場・ハシゴに緊張、強風にも緊張。緊張続きの山行ではあったが、それだけに得られたものは大きかった気がする。今回見られなかった赤岳からの展望、阿弥陀岳の登頂は次回のお楽しみとしたい。 (文/元木)

大同心と小同心を背に

チムニーを登る

ウルップソウ

ツクモグサ

オヤマノエンドウ

イワベンケイ

チョウノスケソウ

赤岳山頂

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